こんにちは、中学生専門・伸び悩み解消学習コーチの久松隆一です。
お母さん
中学生の親御さんがみんな持っている、勉強でのお悩みナンバー1がこれですね。
こうしたご相談は数え切れないぐらいにいただきましたが、よくよく話を聞いていると、
「それでは変わらないだろうなぁ」
というアプローチを取られている方がほとんどです。
親としては、愛情からついそうしてしまうのですが、愛が深すぎるあまりに大事な視点が抜け落ちていたりします。
何か分かりますか?
なぜ勉強しないのか?を突き止めることです。
やる気を引き出すための対策は、勉強しない理由によって変わるんですね。
そこで、今回は中学生が勉強しない理由を見つける実践ワークを用意しました。
これから紹介する21の質問に答えてみてください。
21の質問に答えることで、お子さんが勉強しない理由がハッキリしてきます。お子さんが勉強しない理由を見つけてから、どうやってやる気を引き出せばいいのかについて対策を考えていきましょう。
勉強しない理由をつきとめる21の質問
では、早速21の質問に答えてみてください。
ステップ1:21の質問に点数をつける
いずれの質問も1〜5点で点数を付けてみてください。親の目から見た判断で構いません。
あとで集計するので、紙に点数を書きながら進めてください。
4点:少し当てはまる
3点:どちらともいえない
2点:あまり当てはまらない
1点:当てはまらない
※できるだけ3点を避けて点数を付けることをオススメします。
- 勉強すること自体は大事なことだと思っていますか?
- 「どうやって勉強したら良いか分からない」と言うことはありませんか?
- 授業についていけていますか?
- 点数が悪かったときに叱ったり何かを取り上げたりしていますか?
- 勉強するときにスマホを手元に置いていませんか?
- 部活や習い事でヘトヘトになっていませんか?
- 勉強しなさいと言いすぎていませんか?
- 何のために勉強するのか、お子さんの中で明確になっていますか?
- ノートを色ペンできれいにまとめて、勉強したつもりになっていませんか?
- 「勉強してもすぐに忘れてしまう」と言うことはありませんか?
- わざと勉強しないなど点数が低かった時のための言い訳を作っていたことはありますか?
- テレビやゲームなど気が取れられるものを視界に入る位置に置いていませんか?
- 睡眠時間は十分に確保できていますか?
- 「最低●時間勉強しなさい」など親が勝手にルールを決めていませんか?
- 何のために勉強するのか聞いてみたら「良い点数を取るため」「良い高校に行くため」と返ってきていませんか?
- 問題集や提出物をただ書き込んだだけで満足していませんか?
- 勉強を頑張ったのに点数が取れないという経験をしていませんか?
- テストや模試で悪い点数を取ったとき、その結果を隠したりウソをついたりしたことはありますか?
- スマホ、テレビなど誘惑されるものについて、お子さん自らルールを決めて勉強に取り組んでいますか?
- 多忙や友人関係によって精神的なストレスを感じていませんか?
- 何かを口出しするとウザそうな態度を取られることが頻繁にありますか?
もう点数はつけられましたか?
点数がすべてつけられたという方は次のステップに進んでください。
ステップ2:次の質問番号の点数を逆転させる
すべての質問に点数をつけられた方は、次の質問の点数を逆転させてください。
逆転させるとは、
2点→4点にする
3点→そのまま
4点→2点にする
5点→1点にする
ということです。
点数を逆転させる質問は次の5つです。
点数を逆転させたら、次のステップに進んでください。
ステップ3:点数を集計する
次のまとまりごとに、質問の点数を足し算をしてください。
足し算した点数が、勉強しない理由A〜Gの点数になります。
勉強しない理由についてはこれから解説するので、まずは得点を出してみてください。
勉強しない理由 | 各得点を足し算してください |
理由A | 質問1+8+15 |
理由B | 質問2+9+16 |
理由C | 質問3+10+17 |
理由D | 質問4+11+18 |
理由E | 質問5+12+19 |
理由F | 質問6+13+20 |
理由G | 質問7+14+21 |
中学生が勉強しない7つの理由とは?
勉強しない理由A〜Gの点数はもう出しましたか?
では、これより勉強しない7つの理由を紹介しますね。
理由B:何をしたらいいか分からないから
理由C:自分にはできないと思っているから
理由D:失敗するのが怖いから
理由E:勉強する環境が整っていないから
理由F:体調が整っていないから
理由G:親への反抗心があるから
この7つです。
お子さんが勉強しない原因は、ほとんどの場合、このいずれかに当てはまっています。
というか、程度の差こそあれ、すべてに当てはまるケースがほとんどです。
ですので、この中でも優先順位をつけながら対策をとっていく必要があるんですね。
以下で紹介する目安を参考にしながら、優先度をチェックしてみてください。
お子さんが勉強しない理由を突き止めよう
実践ワークで集計した点数を参考にして、あなたのお子さんが勉強しない理由&優先度をチェックしてみてください。
得点の高いものほど、勉強しない原因になっている可能性が高く、早めに対策をとるべきものだと判断できます。
6〜9点:対策の優先度は低いが今後に注意
10〜12点:勉強しない原因を解消する対策をすべき
13〜15点:最優先で取り組むべき
例えば、こんな感じになったとしますね。
勉強しない理由 | 得点 |
理由A:勉強する意味が分からないから | 7 |
理由B:何をしたらいいか分からないから | 13 |
理由C:自分にはできないと思っているから | 12 |
理由D:失敗するのが怖いから | 5 |
理由E:勉強する環境が整っていないから | 10 |
理由F:体調が整っていないから | 6 |
理由G:親への反抗心があるから | 10 |
この場合のお子さんは…
中学生
といった具合になっています。
これはあくまでも例ですが、このように複数の原因が折り重なっているケースがほとんどです。
高得点の項目が多いほど、より勉強しない傾向があります。
勉強しない理由は分かった!じゃあどうすればいいの?
お子さんが理由を突き止めたら、次はいよいよ対策を考えていきましょう。
それぞれの理由ごとに対策を紹介しますが、深入りすると膨大な量になってしまうので、ここでは「一番最初に手を付けるべき対策」だけ紹介しますね。詳しく知りたい方は各項目に参考記事を貼っておくのでそちらを読んでみてください。
理由A「勉強する意味が分からない」場合の対策
まず最初の一歩として「なぜ勉強するのか?」について話し合う機会を設けてみてください。「良い点数を取るため」や「良い高校に行くため」という答えは手段でしかありません。勉強する目的ではないんですね。目的とはもう少し先の、どんな人生を送りたいのか?そこで何を得たいのか?といった長期的な視点に立ったものです。
良い点数を取ってどうしたいのか?良い高校に行ってどうしたいのか?のように、目的が明確になっていないと、そもそも勉強のやる気は起こりません。
勉強する意味が分からないなら、そこを明確にしてあげる必要があります。あらゆる体験や知識をして、お子さんの見える世界を拡げてあげてください。これは短期的にどうにかできる問題ではないので、少し長い目で見て、勉強する理由を見つけるためのサポートをしてあげてください。勉強する意味を見つける方法については、こちらの記事に詳しく書いています。
理由B「何をしたらいいか分からない」場合の対策
自分のやるべきことが具体的になっていなかったり、やり方が分からないようだと、なかなか行動に移せません。まずは勉強とは何をどうやってするべきなのか?をお子さんの中で明確にしてあげてください。
- 何を使って、
- どのようなことに気をつけて、
- どんな基準で自分にOKを出せば良いのか
この3つを明確にしてあげるだけで、この課題はかなり解消されます。こちらの記事にもう少し詳しく書いていますので参考にしてみてください。
理由C「自分にはできないと思っている」場合の対策
頑張っても点数が伸びなかったり、学校の勉強についていけなくなってくると、どうしても「やってもムダ」という思いを持ってしまいがちです。
これを解消するには、自分の成長を実感する経験をたくさん積むしかありません。やればやっただけ頭に入るやり方を身につけさせたり、塾に通ってつまずいているところを解消して前進させてあげたりして、成長を実感させてあげてください。できないところを指摘するよりも「ここが成長しているよ」と伝えてあげることが大切です。成長を実感させる声かけ例はこちらの記事にあります。
理由D「失敗するのが怖い」場合の対策
失敗する恐怖は誰にでもありますが、点数が低いことを過剰に恐れることによって、勉強から逃げてしまっています。これは点数が低いときに発生する恐怖を取り除いてあげるしかありません。つまり、一番の方法は、結果が悪かったときに叱らないことです。ついテストの点数が悪いと結果について言いたくなる気持ちは分かりますが、そこはこらえてください。代わりに、その失敗から何を学ばせるのか?という発想に切り替えましょう。具体的な声かけ例はこの記事が参考になると思います。
理由E「勉強する環境が整っていない」場合の対策
勉強を頑張ろうと思っていても、目の前に誘惑がたくさん転がっていたら、なかなか勉強する気にはなれないものです。まずは勉強のジャマになるものを目の前から片づけて、勉強以外のものに気を取られないような環境を作ってみてください。最初に手をつけるべきなのはスマホです。見えないところに置いたり、スマホ使用に関するルールをお子さんと一緒に考えるなどして、誘惑を避ける環境を作ってみてください。
理由F「体調が整っていない」場合の対策
体調面・精神面に関しては、家庭の果たす役割は大きなものになります。テーマが広いので、ここで深入りすることはできませんが、まず最初にすべきことは睡眠についての対策です。睡眠がメンタルに及ぼす影響はかなり大きいことが分かっていますし、やる気にも関わってきます。眠いと集中力も発揮できませんし、すべての根っこになっているのが睡眠です。
成績が悪いとつい睡眠を削ってでも勉強させたくなる気持ちは分かりますが、やる気に限らずあらゆる面でマイナスが大きいので、しっかりと睡眠時間を確保させてあげてください。特に中1の1学期はみんなヘロヘロですので、睡眠を大事にしてあげてくださいね。
あと、あまり大きな声では言えませんが、時々親に隠れて夜中までスマホをいじっている子も見かけます。なぜか眠そうにしている場合はちょっと注意して見ておいてください。
理由G「親への反抗心がある」場合の対策
子どもへの愛情の伝え方を少しだけ変えましょう。心配なあまり、勉強しなかったり点数が悪かったりすると口出ししたくなってしまうと思うのですが、これはよくありません。なぜなら「結果」を見て判断しているからです。その結果が良いのか悪いのかはお子さん自身が一番よく分かっています。分かっているのに、さらに傷口に塩を塗られるからウザいのです。
結果よりも過程を見つめる意識をもってみてください。お子さんは日々、どんな努力をしているのか?どんな成長をしているのか?に目をこらし、もし見つけたらそれをお子さんに伝えてあげる。自分の中で頑張っていると思っていても、普通は誰も過程なんて見ていないし、誰からも評価されないですよね。そこを、あなたが見つけて「頑張ってるね」と一言評価してあげるのです。これだけでずいぶん親子関係は改善します。
まとめ
ここまで読み進めてきて、お子さんが勉強しない理由は見つかりましたか?
理由が分かれば対策も取りやすくなるはずです。
中学生のお子さんが勉強しない理由には、心理的なカベ、物理的なカベなどさまざまな要因があります。
ひとつひとつクリアして、自ら進んで勉強したくなる状況を作り出してあげたいですね。