ついやってない?子どものやる気をゼロにする親の言動2パターン

こんにちは、おうちSTUDYの久松隆一です。

子どものやる気を奪うつもりはないのに、結果的に機嫌を損ねてしまった…

ちょっと危機感を持ってもらいたかっただけなのに、気づいたらケンカになって話し合いにもならない…

こういう場面では大抵子どものやる気がゼロまで下がってしまいます。

本当はそんなつもりじゃなかったのに。

きっと多くの親御さんが一度は経験があるはずです。

同じ轍を踏まないためにも、子どものやる気を下げてしまう言動の2つのパターンを知っておいてください

親のせいで子どもが勉強のやる気を無くすとき、大抵この2パターンに該当します。

子どものやる気を下げる親の言動2パターン

早速ですが、子どものやる気がなくなる2つのパターンを紹介します。

それは、

  • 他者との比較
  • 理想との比較

の2つです。

具体例がなくても想像できると思いますが、一応いくつか挙げておくと、

他者との比較はこんな感じ。

◯◯くんはあんなに勉強してるのに、あなたはうんたらかんたら

同じ部活の△△ちゃんは英語で90点なのに、あなたはうんたらかんたら

周りの友だちはテスト前になると塾に毎日通って自習してるのに、あなたはうんたらかんたら

理想との比較はこんな感じ。

志望校にいくには偏差値●は必要なのに、あなたはうんたらかんたら

そのためにもっと頑張らないといけないのに、あなたはうんたらかんたら

といったような言葉です。

親御さんとしては、危機感を喚起したり、目の前の課題を認識してもらいたいと思って言っている

その根底には愛情があってこその言葉なのですが、残念ながらその愛情はうまく伝わらずに、まったく逆の結果を生んでしまうことが多いというジレンマ

あぁ、なんて悲しいんでしょう

お子さんも冷静になって考えたらそれは愛情だと理解しているのですが、いかんせんその場面では「怒り」のスイッチが入ってしまったり、「絶望」に似た感情が湧いてきてしまったり、いずれにしてもやる気を失ってしまいます。

例外的にうまくいくパターンは、もともと「自分はやればできるという感覚」を強く持っている子だけ。ほんのひと握りだけの話です。

他人と比較したり、理想と比較したりすれば、ほとんどの場合は子どものやる気を奪ってしまう結果が待っています

比較されると人は無力感を感じる

ちょっとふり返ってみませんか。

他者と比べられて嫌な気持ちになったことや、理想と比べられて嫌な気持ちになったことってありませんか?

僕は今パッと思い出してみると、

最近奥さんから

●の旦那さんは毎日保育園のお迎えいってくれるらしいよ。なのにあなたはうんたらかんたら

と言われたとき、ちょっと嫌な感じがしましたね。笑

それから、もともと会社に勤めて塾の運営をしていたのですが、他の校舎と比較されたり、理想通りの生徒数が集まっていないのを責められたりすると、やはり嫌な気持ちになりました。

家庭や仕事の場面で、そんな経験ってあなたもありませんか?

結局のところ、他者や理想と比較されて自分の落ち度を指摘されるのって、人間にとってものすごく不快なんですよね。

もともと勉強の成績が上がらないうえに、他人や理想と比較されると「やってもムダ」のように、自分に失望してしまいます。これは心の奥深いところに、思い込みとしてすり込まれていきます

一方で、表面では「これ以上あれこれ言われたくない」という怒りに似た感情も湧いてきます。自己防衛の一種です。だから、一時的には頑張れます。

でも、人は嫌なことを避けたいという欲求は長続きしません。心の奥底にすり込まれた「やってもムダ」という思い込みも、やる気をじわじわ奪っていきま

表面的なプレッシャーと、深層意識にある無力感の板挟み状態で、メンタルは常に緊張状態にあります

こんな状態でどうやってやる気が出るというのでしょうか?

普通の人間なら無理です。努力を継続することなどできるはずがありません。

比較の仕方を変えればやる気が出る

では、どうすればいいのでしょうか?

答えは簡単です。

これもまた比較を使ってください。

今度はやる気の出る比較です。何をするかというと、過去と現在を比べてあげてください

  • 1週間は分からなかった問題が、今できるようになっている
  • 昨日は覚えていなかった単語が、今覚えられている

過去と比較すれば、自分の成長が見えてきます。成長を実感させてあげることで人は自然にやる気が出てきます。

他人や理想との比較は、自分にはできないという無力感を生み出しますが、過去と比較することで「やれば成長できる」という有能感を生み出すことができます

勉強は成果が出る前に時間がかかるもの。それならば…

勉強は最終的な成果を出すまでに、それなりに時間がかかる営みです

勉強したから点数が伸びるのではありません。

正確に言えば、

  1. 勉強したことで知識量が増えていき、
  2. 結果的にとある問題を正解するために必要な知識がすべて揃うことで、
  3. その問題を正解することができて、
  4. その分だけ点数が伸びる

というメカニズムで成績が伸びます。

成果は日々の小さな成長が積み重なって、最後の最後でビンゴゲームのように一気に実を結ぶもの。でも、途中でやる気を失ってビンゴゲームを放棄してしまう人が圧倒的に多い

なぜでしょうか?

自分がやっても伸びている実感がないからです。自分に失望し、無力感を感じてしまうのです

本当は伸びているのに。

ビンゴカードにもともと穴が空いていなかったとしましょう。そこから頑張って穴を空けて4つまで揃ったとします。でも、まだ得点には結び付きません。

だから自分では「やってもムダ」と判断して、せっかくリーチしたビンゴカードを自ら手放してしまうんですね。

これは成果で評価しているからです。成長を見ていないから。

成果につなげたければ、成果を焦らずに日々の小さな成長を見つめてあげてください

お子さん自身ではなかなか気づきにくい成長を、周囲でサポートする人が気づかせてあげる。過去と今を比較するのです。そこで成長を実感できれば、自然に次のやる気につながってきます

成長は雪だるま式!いきなり大きな雪だるまは作れない

少し耳の痛い話をさせてください。

成果しか見ていない親を持つお子さんは、たいていうまくいきません。

それはなぜでしょうか?

成長を見つめる目線が無く、他者や理想とだけ比較するからです

成果とは理想とイコールの関係です。

これではお子さん自身が自分の成長に気づけず、やる気は継続しません。もちろん次の行動にもつながっていきません。

最終的に成果を出すためには、日々成長し続けることしか方法はありません

日々の成長はどのように生み出されるかというと、

行動→成長→やる気→行動→…

といったように循環しています。

つまり「成長を実感することでやる気になり、やる気になることで実際に行動し、行動することで実際に成長する」という好循環がそこにはあるのです

このサイクルをうまく回すには、雪だるまをイメージしてください。

雪だるまをつくるとき、最初は小さな玉をつくって、それを転がしていくうちに少しずつ大きくしていきますよね。

最初から大きな雪だるまを作ろうと思ってもうまくいきません。

成長サイクルもまったく同じ。成果を焦ったり理想を押しつけたりするのは、いきなり大きな雪だるまを作ろうとしているようなものです

ものごとには順序があります。

スポーツでもそうですよね?野球未経験の人が1〜2カ月努力したところで、小さな頃から何年も頑張ってきた人を実力で追い越すことはできない。

でも、1〜2カ月分頑張った分だけ成長しているはずです。

勉強も同じです。

まとめ

成果を焦って、他者や理想と比較をするとお子さんのやる気は急速にしぼんでいきます。かわりに過去と比較してあげてください。そうすれば、成長を実感できるようになり、次のやる気につながります

雪だるまをつくるイメージで、最初は小さな成長でもいい。最初から大きな成果を求めると簡単に壊れてしまいます。

今は少々中学校の成績が悪くても、スタートが遅れていたとしても、そんなことは関係ありません。正しい勉強の仕方を身につけて努力すれば、その分だけ日々成長できます

その小さな成長を実感させてあげることがすべての始まりではないでしょうか。