伸び悩む人&受験生&親御さんが知らないと大損する「得点メカニズム」

こんにちは、おうちSTUDYの久松隆一です。

今回は「得点力」ついて。

せっかく勉強したのだから、その分だけテストで得点につなげたいところ。

でも、これからお話する「得点メカニズム」を理解しておかないと、せっかくの努力をムダにしてしまいかねません。

リーチのビンゴカードを捨てたくありませんよね?

頑張りを得点にきっちりつなげるためにも、今からお話する得点メカニズムについてよく知っておいてください。

お子さんが今伸び悩んでいる方も、この得点メカニズムを理解すれば、なぜ伸び悩んでいるのか理解できるはずです。これが分かれば関わり方も自然に見えてくるはず。

焦って間違った対策を取ってしまわないためにも、特に受験生の親御さんはこの得点メカニズムを理解しておくことをオススメします。

得点するために必要な3つの要素

とある問題を得点するために必要な3つの要素があります。

ややこしく感じるかもしれませんが、たとえ話を読めばきっと理解できるはずです。1分だけ我慢して読んでください。

先に結論から言うと、

  1. 正解するために必要な知識が頭に入っている
  2. その知識の使用用途&使い方を知っている
  3. 実際に知識を正確かつスムーズに使いこなせる

という3つの要素です。

1.正解するために必要な知識が頭に入っている

「パンづくり」を例に、1つずつ説明しますね。

例えば、パンを焼こうと思ったら、まずはパンを焼くためのオーブンレンジが必要ですよね?他にも小麦粉、イースト、その他もろもろの調理器具などなど。必要な道具や材料もろもろを揃えておく必要があります。

勉強もこれと同じで、とある問題を得点するためには、必要な知識を揃えておかなければなりません。

これが1番の「正解するために必要な知識が頭に入っている」ということ。

2.その知識の使用用途&使い方を知っている

つづいて2番。これは、パンづくりで言えば、「イーストは何のために使用するのか」「オーブンレンジの使い方を知っているかどうか」といったこと。

材料や道具を揃えていても、それは何に使うものなのか?どうやって使うのか?を理解していないと、パンを作ることはできませんよね。

勉強も同じで、ただ知識を覚えていても、それを適切な場面で使えるようにしていなければなりません。公式を覚えていても、その公式をどんな場面で、どうやって使うのか?を理解しておかないといけないのです。(※丸暗記がいけない理由は、ここにあります)

3.実際に知識を正確かつスムーズに使いこなせる

ラスト、3番。これは、パン作りで言えば、レシピとかオーブンレンジの説明書を見なくても、手際よくパンを焼けるということです。

勉強においても同じことが求められます。なんせテストでは何も見ずに自分ひとりで解かないといけないからです。最終的には何も見ずに自分ひとりでスムーズに正解できるようになって、はじめて得点できるというわけです。

ここまでを簡単にまとめると、

  1. 知識の収集
  2. 知識の使用法への理解
  3. 熟達

という3つの要素、3ステップをふんで、得点に結び付くというわけです。

問題レベルによって求められる要素は違う

ただ、一概に3つすべてが必要というわけでもありません。問題レベルによって、求められる要素は違うんですね。

パンづくりで言えば、コッペパンとブリオッシュとフランスパンでは、それぞれ求められる材料も、レシピの複雑さも違いますよね?当然、熟達するまでにかかる労力も違います。

勉強も同じで、問題レベルによって求められる要素は違います。さらにいえば、求められる要素によって、問題の難易度が決まります。求められる要素が少ないものほど簡単な問題。要素が多いほど難しい問題になります。

これは実際の問題を見た方が分かりやすいので、こちらをご覧ください。

これは東京都の最新の入試問題です。大問1の1、つまり一番最初の問題ですね。

(引用元:https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/files/release20210221_01/3r_kensa.pdf)

この問題を正解するために、一体どの要素が必要でしょうか?

1番だけでOK。

この問題の場合、A〜Dの器官のはたらきを知っていたら解けます。つまり、1「正解するために必要な知識が頭に入っている」の要素だけ満たしていれば、得点できます。

これはパン作りの例で言えば、「パン作りに必要な調理器具を揃えなさい」というレベル感になります。もちろん実際に暗記するのは大変ですが、あくまでも問題レベルだけで見れば、簡単ということになります。

では、こちらはどうでしょうか?

(引用元:https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/files/release20210221_01/3r_kensa.pdf)

これもまた東京都の最新の入試問題でして、大問6の4、つまり一番最後の問題になります。

明らかにこちらの方が難しいですよね?

それは、この問題を解くためには、3つの要素がすべて求められるからです。

これは読み飛ばしていただいて構いませんが、この問題を得点するためには、

  • コイルの性質
  • 電流の性質
  • 磁界の性質
  • 電流と時間と力の関係性(フレミング左手の法則)
  • エナメルのはたらき

など知識が必要です。そもそも覚えるべき知識量が違いますよね。これに加えて、フレミング左手の法則の使い方を理解し、それを実際につかいこなせる必要があります。

このように、問題によって求められる知識量や要素は違っていて、求められる知識量や要素が多い問題ほど難しいということです。

頑張っても伸び悩む人が理解すべき得点メカニズム

ここまで、

  • 得点するために必要な3つの要素がある
  • 問題によって求められる要素は異なる
  • 求められる要素が多い問題ほど難しい

といったあたりを説明してきました。

これらのことから、頑張っても伸び悩んでいる人が理解すべき大事なポイントが浮かび上がってきます。

ようやくこの記事で伝えたい本題に入れそうです。

何か分かりますか?

それは、難しい問題ほど得点を伸ばすのに時間がかかるということです。

当たり前なんですけどね。笑

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、ここまで得点メカニズムを理解してきたあなたなら、真意が分かると思います。

難しい問題とは、求められる要素が多いんでしたね。

先ほどの例で言えば、

  • コイルの性質
  • 電流の性質
  • 磁界の性質
  • 電流と時間と力の関係性(フレミング左手の法則)
  • エナメルのはたらき

といった知識が必要になります。しかも、それらを使いこなせるようにまでならないといけない。その分、労力も時間もかかるのです。

しかも、たった1つでも欠けたら得点できません。これ、めちゃくちゃ大事なポイントです。

1つでも欠けたら得点できません

例えば、先ほどの問題なら、フレミング左手の法則を知らなかったり、知っていても使えなかったら、この問題の②④は解けません。コイルの性質を知らなかったら、もう全部解けません。

これが何を意味するかというと、もしその問題を正解するために必要な知識が5つあるなら、そのうち4つを揃えていても得点できないのです。

頑張っても伸び悩んでいる方は、この得点メカニズムをよく自覚しておいてください。

ステルス得点力に目を向けてあげてください

お子さんが伸び悩んでいる方も、この得点メカニズムは絶対に理解しておかなければなりません。受験生のお子さんをお持ちの方は、特にです。

受験生が勉強しても“最初は”なかなか伸びないのは、ここに理由があります。

受験勉強を始める前、5つのうち1つしか知らなかったとします。当然解けません。でも、頑張って勉強して5つのうち4つまで知識を頭に入れたとします。でも…

解けないのです。

大変残念なことに、せっかく頑張って成長していても、まだ得点にはつながらないんですね。

特に、受験レベルの模試や実力テストにおいては、難しい問題の割合が大きくなります。だから、得点できるようになるまでに時間がかかるのです。せっかく勉強して伸びていても、その成長は得点に現れにくいのです。

でも、実際は成長しています。

ステルスで。

頑張った分だけ、ステルス得点力はついているんです。目に見える得点力はついていなくても、このステルス得点力はついています。

このステルス得点力がついている間は、なかなか目に見える得点につながりません。

ステルス得点力が、ステルスじゃなくなる瞬間

でも、いずれその時はやってきます。

もし努力をしつづけていたら、必ずやってきます。だから、大事なことは努力を続けることです。なぜなら、得点メカニズムからすれば、必要な知識が5つのうち4つ揃っている人は、あと1つ揃った瞬間に得点できるようになるからです。

あ、これって…

ビンゴですね!

書いててピンときました。目に見える得点力はビンゴと一緒です。ビンゴも最初の1列はなかなか揃いませんが、1列揃ったら2列、3列とどんどん揃っていきますよね?

頑張っていれば、ビンゴカードに次々穴が空いていきます。これがステルス得点力です。そして、運良く一列揃った瞬間に…

BINGOOOO!!!

得点に変わるというわけです。

これをグラフにするとこうなります。

ピンクのグラフのような伸び方を期待すると思いますが、実際には緑のグラフのような伸び方になります。

リーチのビンゴカードを捨てないでください

頑張って努力をつづければ、ビンゴカードに穴は空いていきます。次第にリーチが現れます。でも、残念ながらリーチしていることは自覚できません。なんせ目に見えないですから。

ここで得点が伸びないからといって、努力をやめないでください。リーチのビンゴカードを捨ててはいけません。

親御さんは決して努力をけなしたり、点数でお子さんの頑張りを評価してはいけません。頑張っていても、最初は伸びないのです。そういうものなのです。点数で評価して、やる気を奪ってはいけません。 

お子さんが伸び悩んでいるとき、大事なのは「もっと頑張れ」ではなく「このまま頑張れ、伸びてるんだから」と伝え続けることです。

穴をあけつづければ、いつかビンゴの瞬間がやってきます。

おまけ

最後に余計なお世話かもしれませんが、一つだけ。

ここまで「頑張っても伸びないのは、そもそも伸びるのに時間がかかるから」というお話をしてきました。それをぶち壊すようなのですが、もう一つ頑張っても伸びない原因はあります。

勉強の仕方です。

勉強の仕方が悪いと、努力が空回りします。これは、ビンゴカードに穴を空けられていないのと同じ。正しい勉強の仕方を身につけていることは、成長のための大前提となります。まずは勉強の仕方の基礎スキルが身についているかどうかをチェックすることをオススメします。

まとめ

最後にまとめておきます。

とある問題を得点するためには、

  1. 正解するために必要な知識が頭に入っている
  2. その知識の使用用途&使い方を知っている
  3. 実際に知識を正確かつスムーズに使いこなせる

この3つの要素を満たしている必要があります。この3つの要素が揃っていれば、その問題は得点できます。

ただ、問題レベルによって、求められる要素は異なります。求められる要素が少ない問題ほど簡単。多いほど難しい問題ということです。当然、難しい問題ほど得点するために時間がかかります。

しかも、必要な知識がすべて揃わないと得点できないので、ビンゴでいう「リーチ」の状態ではまだ得点できません。受験においては、難しい問題の割合が多くなる分、余計にその傾向があります。

頑張っているのに伸び悩んでいる人は、この得点メカニズムを念頭におきながら、努力をやめないようにしてください。

いずれ得点につながる瞬間がやってきます。やってきたら、あとはびっくりするぐらいの速度で点数は伸びていきます。