もうすぐ高校受験なのになかなか成績が上がらない…
うちの子、受験生として頑張ってるけど実力テストや模試の成績が伸びない…
中学校も塾もマジメに行っている。
親の目から見ても受験生として頑張っているように見える。
それなのに成績が上がらないと心配になりますよね?
でも、大丈夫。
高校受験で成績が上がらないのはいくつか原因があります。その原因を知ってから対策を取れば、まだまだ点数は上がります。
今日は、高校受験の受験生が成績が上がらない原因&対策について解説します。
親にできることもあるので、親として何をしたらいいか分からないと感じている方は、ぜひ最後までお付き合いください。
高校受験で成績がなかなか上がらない原因は?
もう一度、最初にお伝えしておきます。
お子さんは、まだまだ伸びますから心配しないでください。
ただ、しっかりと成績を伸ばしていくには、その手前にお子さんの成長を引き出す必要があります。成果が出る手前には成長があります。成長抜きに成果は得られません。
この点だけまずしっかりとおさえた上で、お子さんの成長を促すにはどうすればいいでしょうか?
まずは、高校受験で成績が上がらない3つの原因を理解しておきましょう。高校受験において、受験生の実力テストや模試の成績がなかなか伸びない原因は主に次の3つ。
- 範囲が広いから
- 模試や実力テストは応用レベルだから
- 受験生は忙しいから
ひとつずつ解説していきますね。
原因1:範囲が広いから
これは言うまでもありませんが、受験勉強の範囲は広いですね。なんせ中学3年分ですから。定期テスト15回分が高校入試の範囲です。そう簡単に点数は伸びてきません。
ここが厄介なところなのですが、例えば、勉強してその分だけ成長していても、その範囲が模試や実力テストに出ないこともあります。そうすると、点数には繋がらないので、勉強しても伸びていないように見えてしまいます。
これは親の目から見てもそうですが、お子さん自身もそう感じてしまいます。
と。
お子さんがそう感じている時こそ、周囲のサポーターの出番です。
といった具合に、勉強してきたことを整理してあげてください。
僕の1:1レッスンの場合、実際に進めた問題集のページ数を記録しているので、どの範囲を勉強したかどうか、その範囲が今回のテストや模試に出たかどうか、ハッキリ分かります。
「理科の点数が伸びなかったって凹んでるけど、そもそも前回から今回までに、教科書ワーク理科中1のp40-66の範囲しかやってないよね?でも、その範囲出てないから、点取れなくても当たり前じゃない?そんなの一切気にする必要ないよ。」
「むしろ勉強した範囲が取れなかったときは、勉強の仕方が悪いってことだから、そのタイミングで凹んでね。笑」
という具合に声をかけています。
少し話が逸れましたが、範囲が広いと勉強したことが出ないケースも多々起こります。その分だけ伸びていないように見えてしまうというわけです。
原因2:模試や実力テストは応用レベルだから
模試や実力テストは普段の定期テストよりも応用問題が増えます。レベルはいろいろありますが、業者問題ならば、だいたい6〜8割は応用問題です。
応用問題レベルになると、基礎をしっかり押さえていないと取れません。
サッカーのブラジル代表・ネイマール選手はドリブルするときにほとんど脳を使っていないそうです。アマチュア選手の10分の1程度らしいですよ。
だからドリブル以外のプレーに脳を使えるんですね。基礎が固まっているから、他のことに脳を使えるようになります。勉強もこれと同じで、基礎が固まっていれば、応用に対応できるようになります。むしろ、基礎が固まっていないと、応用レベルに対応できない、と言った方が正確かもしれません。
受験生の実力テストや模試での成績が伸び悩むのは、基礎をしっかりと固めないまま、応用レベルの問題に立ち向かっているケースがほとんどです。
経験上、偏差値60までは基礎をしっかりと定着させるだけで取れるようになります。具体的に言うと、夏休みまでに中1・2の復習を5科目すべて完了できていれば、たいてい9月の模試では偏差値60を超えてきます。
基礎が固まっていないまま、いくら応用問題ばかりに取り組んでも、なかなか成績は伸びてきません。
原因3:受験生は忙しいから
中3の2学期って本当に忙しい。
だいたいこんなスケジュールではないでしょうか?
- 9月:実力テスト・模試・体育祭
- 10月:実力テスト・模試・中間テスト・文化祭
- 11月:実力テスト・模試・期末テスト
- 12月:実力テスト・模試
9月〜11月にかけて、バタバタと目の前のテストや学校行事に取り組んでいるうちに、もう気づいたら12月…。三者面談で進路を決める時期になります。あっという間ですね。
中間・期末テストも3年生の2学期の内容ですから、中学校の中でもっとも難しいレベルです。そこを仕上げるだけでも精一杯。いくらこまめに受験勉強を進めていても、なかなか思うように進められません。
というか、3年生の2学期はそういうものです。2学期は全力で頑張っていても、なかなか受験勉強は前に進まないものなのです。
以上の3つをまとめると、
- ただでさえ範囲が広い上に
- 難易度が高めの応用問題レベルが出る
- でも忙しくて受験勉強はなかなか進まない
という3つの要因によって、受験生として頑張っているけど思うように成績が伸びないという状況に陥りやすいです。
受験生の親にできる成績を上げる方法は?
こうして11月、12月を迎えると、お子さんは、
と、頭に浮かんできます。
でもね、ちょっと待ってください。まだ決断するには早すぎます。
こんなときこそ、親の出番です。親として何をすれば良いのか?というと、できるだけ正確に過去の取り組みをふり返る機会を作ってあげてください。
高校受験にむけて成績を上げたいなら、このふり返りが一番重要なことかもしれません。少なくとも僕はそう思っています。
なぜなら、ふり返りをすることで、自分の成長と足りないものに気づけるからです。裏を返せば、ふり返りとは、成長と伸びしろに気づいてもらう作業です。
たいていの受験生は、部活を引退して夏休み前後から受験勉強を始めますよね。夏休みからこれまで、どのように受験勉強を進めてきたのか、お子さんと一緒に整理してみてください。
その際、ひとまず、
- これまで中学校で習ってきた範囲のうち、どの範囲の復習を終えているか?
- その範囲の基礎レベルの問題はすべて自分ひとりの力で解けるか?
- どの範囲は基礎が固まっていて、どこが固まっていないのか?
この3つだけ整理してみてください。
僕の1:1レッスンだと、毎回のページ数まで勉強記録を取っているので、かなり厳密にこれをやります。そうすると、ほとんどのお子さんは、
- 自分で思っているほど受験勉強は進んでいない
- でも、基礎が固まっているところは点数が取れるようになっている
- あるいは、もう少し応用問題慣れすれば、すぐに取れそうな予感が持てる
といったことに気づきます。この気づきがめちゃくちゃ重要です。
合格への一番の近道はやる気アップ
なんせ受験勉強はテスト範囲が広い分、やる気が成長を大きく左右するからです。
やる気は「自分でやってもムダだ」と思うことには出ません。でも、自分が勉強してきた範囲は点数が取れていることに自分で気づけば、「自分はやれば成長できる!」とやる気が湧いてきます。
ここ、大事なポイントなのでもう一度いいます。
成長に気づくからやる気が出るんですね。
やる気を上げるのが苦手な親御さんは、たいていの場合、足りないものだけを指摘します。勉強時間が足りないよ、この単元は基礎からやり直さないといけないよ、などなど。これだとなかなかやる気にはつながりません。
成長と足りないものはセットで気づかせてあげてください。
成長している実感と同時に「自分で思っているほど受験勉強が進んでいない」「まだ実力が足りていない」という事実に気づくから、お子さんは「頑張らなくちゃ!」とやる気が湧いてきます。
そのやる気が行動に変わり、行動が成長に変わり、最後に成績アップが待っています。
なお、勉強のやる気を引き出す方法についてはこちらの記事に詳しくまとめてあるので、参考にしてみてください。
受験生が自らの成績を上げるためには?
つづいて、お子さんが高校受験で成績を伸ばすためのポイントをまとめておきます。
といっても、実は、高校受験であろうと定期テストであろうと成績を上げるためにやることは何も変わりません。
成長の先に成果が待っている、とこの記事の最初にお伝えしました。結局のところ、成長する他に成績を上げる方法はありません。
その成長が、高校受験本番までに間に合うかどうかは別問題。もちろん間に合わせるために日々頑張っていくわけですが、それでもやることはただ一つ。成長を積み重ねていくことです。
だからこそ、どうすれば成長できるのか?という一点に集中してください。
そのための第一歩は、何をすればいいか?という発想を捨てることです。
- 何の問題集を使えば良いか?
- 何の科目が点数が上がりやすいか?
- 何をすれば点数が取れるのか?
といった点に目が向きがちですが、これはおまけ的要素です。勉強しても伸びない子ほど、こういったおまけ的要素に目を向けて、勉強の本質が見えなくなっています。
何をすればいいか?ではなく、どのように進めればよいのか?へ発想を転換しましょう。
どのように進めるのかについて、要点を3つにまとめますね。
- 自分のできないところを発見する
- 自分にOKを出す基準を知る
- 目の前のできない問題をできるに変える
自分のできないところを発見する
まずは自分のできない範囲を見つけてください。勉強とはとてもシンプルで、できないところをできるに変えた分だけ点数につながっていきます。
なので、勉強の第一歩は、自分のできないところを正確に発見することです。
自分のできないところを正確に発見するためには、テストのつもりで問題集を解いてみてください。事前に何も見ず、解いている最中も答えや解説を見ず、自分の力で解けるかどうかをチェックします。
すると、自分ができるところとできないところがハッキリします。
ときどき「どこが分からないか分からない」というご相談をいただきますが、そんなときはこちらの記事も読んでみてください!
自分にOKを出す基準を知る
自分のできないところを見つけたら、あとはそれを自分でできる状態にもっていけばいいだけです。
ただ、この「自分でできる」と判断する基準が間違っていると、いくら勉強しても意味がありません。「できるつもり」や「分かったつもり」に陥ってしまうからです。
ですので、まずは自分にOKを出す基準を正確に知っておく必要があります。
自分にOKを出す基準については、次の3の条件を満たしていればOKを出してください。
- 自分ひとりで何も見ずに
- スムーズにつまることなく
- 正解できる
この3つの条件を満たしていれば、自分にOKを出してください。この3つを満たして初めて「勉強した」と言えます。この3つを満たしていないのならば、それは「勉強したつもり」「できるつもり」「分かったつもり」です。
「勉強したつもりになっているかも…」と心当たりのある方は、こちらの記事に詳しくまとめてあるので、チェックしてみてください。
目の前のできない問題をできるに変える
自分にOKを出す基準が分かったら、あとは実際にそれを進めていくだけ。
受験勉強を進める際は、問題集を使って勉強すると思いますが、その問題集を1ページずつ自分ひとりでできる状態に変えていってください。
「できない」を「できる」に変えた分だけ成長しています。もう後は本当にそれだけです。ただコツコツ続けるのみ。
以上の3つが、どのように勉強を進めたらよいのか?のポイントです。
もしお子さんが、上の3つを守れていなかったら、頑張ってもなかなか伸びなません。一度進め方をチェックしてあげてください。
この3つを踏まえて、受験勉強では何をすればいいのか?について説明しますね。
受験勉強は何をすればいいか?一例を紹介します。
どのように進めれば良いのか?をおさえた上で、何をすればいいのか?について簡単にまとめておきます。
実力テストや模試では、応用レベルの問題が出されます。もちろん入試本番も同じです。しかし、応用レベルに対応するには基礎をしっかりと固めておかなければなりません。
- 基礎レベルの問題集を仕上げる
- 応用レベルの問題集を仕上げる
といった手順を踏む必要があります。
まずは基礎固めからスタート
基礎レベルの問題集としてオススメなのは、『教科書ワーク』や『教科書トレーニング』です。
オススメの問題集については深入りしませんが、要するに、基礎が固まっていないと何も始まらないから、基礎レベルの復習ができる問題集を使って勉強してね!ということです。
易しめの応用レベルに取りかかる
それが終わったら、応用レベルの問題集に入っていきましょう。
応用レベルと言っても、難易度はさまざま。まずは少し易しめの応用レベルからスタートしてください。
例えば、こんな問題集です。これは入試で正答率50%以上の問題ばかりが載っているので、易しめの応用レベルになっています。
難易度の高い応用レベルに取りかかる
易しめの応用レベルの復習が終わったら、難易度の高い問題を仕上げていきましょう。
例えば、こんな問題集です。
このように、少しずつ難易度を上げていけば、応用問題までスムーズに勉強を進められます。
お子さんが、基礎を固める前にいきなり応用問題に取りかかっていないか、チェックしてみてください。
いずれにしても、注意したいのは、自分にOKを出す基準を守って勉強を進めることです。何をするかよりも、どのようにするかで成長度が決まるので、くれぐれも注意してくださいね。
まとめ
最後に、ポイントだけまとめておきます。
高校受験で成績が上がらない根本的な原因は、
- ただでさえ範囲が広い上に
- 難易度が高めの応用問題レベルが出る
- でも忙しくて受験勉強はなかなか進まない
といった3つに由来しています。
成績を上げたいなら、この3つの原因をよく理解した上で、対策をとっていかなければなりません。
親にできることは、お子さんに自らの成長と足りないものをセットで気づかせてあげることです。そのために受験勉強の振り返りをしてあげてください。
お子さん自身は、目の前の問題集の1ページずつ、自分ひとりで解ける状態まで持っていきましょう。最初は基礎固め。そこから少しずつ難易度を上げていけば、スムーズに入試レベルに対応できるようになってきます。応用レベルまでこれば、自然に成績は上がります。
基礎固めをしているあいだは、なかなか成績にも繋がらずにしんどい時期ですが、そこを超えられる人だけが成績アップを手にします。
親御さんもお子さんも、ここでくじけずに頑張っていきましょう!
久松