中学生が「やってもできない」と自信を失ってしまう理由

こんにちは、中学生専門・伸び悩み解消学習コーチの久松隆一です。

先日の記事で、チャレンジ精神を取り戻すには「やればできる」という自信を積み重ねていくことが大事だよ、ってなことをお伝えしました。

今日はその続きの内容。
「やってもできない」と思ってしまう理由についてです。

そもそも人間はチャレンジ精神の塊なんですよね。

2歳くらいの子どもなんて、あれもしたいしこれもしたい!っていう気持ちを全面に押し出して生きてますよね。
でも中学生くらいになると、なぜかチャレンジ精神が全然なくなってしまう・・・。

なぜみんなチャレンジ精神が消えてしまうのでしょうか?

それは「やってもできない」という体験をうまく乗り越えられていないからです。

何かにチャレンジすると「やってもできない」という壁にみんなぶつかります。
すべてがうまくいくはずがありません。

問題なのは、「やってもできない」という壁ではなく、それをどう乗り越えるかです。
上手に乗り越えられないと「やってもできない」という経験がマイナスとして積み重なっていき、やがて「やってもできない」というセルフイメージがついてしまうわけです。

特に、中学生にとって「やってもできない」という経験でもっとも多いのが勉強面です。

そこで、今回は中学生が勉強を「やってもできない」と思ってしまう原因とそれを乗り越えていく方法をお伝えします。

中学生が勉強を「やってもできない」と思ってしまう原因

中学生が勉強をやってもできないと思ってしまう原因は主に3つです。

  1. 勉強の仕方が間違っている
  2. 正しいやり方で勉強をしても結果がでない
  3. 周囲の成功の基準が高く、認められない

ひとつずつ見ていきましょう。

1.勉強の仕方が間違っている

勉強をやってもできないと思ってしまう根本的な原因は、勉強の仕方が間違っていることです。
これがすべてだと言っても過言ではありません。

そもそも人間の能力に大した差はありません。
それでも勉強の結果に差が出てくるのは、やり方に問題があるからです。

これは目的地へ向かう道のりと同じです。

例えば、目的地が図書館だとします。
図書館はここから真北にあります。
そこに向かってAくんとBくんが歩いて出発しました。

Aくんは真北へまっすぐ進みます。
Bくんは北西へ進みます。

結果は当然、Aくんの方が目的地に近づきますよね。

勉強もこれと同じで、人と同じだけ努力していても、進むべき方向を間違ったら結果にはつながりにくいのです。

悲劇なのはBくん。
Aくんと同じだけがんばっているのに、結果につながっていないから「おれはやってもできないんだ・・・」という気持ちになってしまう。

歩くスピードはAくんもBくんも同じだけの能力を持っているのに、本人は能力が無いと思ってしまうんですよね。そうやって自信を失っていく。

そう思わせる前に、目的地へ向かってまっすぐ進む道を教えてあげたらいいんです。

「正しい勉強の仕方」を教えてあげれば、根本的な原因は解決できます。

これはある意味もっとも簡単に解決できる方法ですね。
問題なのはこれ以降の2つの原因です。

2.正しいやり方で勉強をしても結果がでない

正しく勉強をしていても結果につながらないこともあります。
特に、正しく勉強をし始めた当初はこうしたことが起こります。

勉強ができるようになるのはバケツに水を溜めるのと同じです。
バケツに水を入れ続けていても、外から見たら変化がありません。しかし、水を入れ続けていけば、ある時水が溢れ出てきます。

勉強もこれと同じで、正しいやり方でやっていても、最初は結果につながらないことの方が多いんです。

最初はいくら勉強しても変化していないように見える。
でも溢れることを信じて水を入れ続けるしかありません。

しかし、本人にとっては頑張っても結果が出ないと、やはり「やってもできない」という気持ちを持ってしまいます。

これを防ぐためには、「正しいやり方でやっても結果が出ないこともある」ということを事前に伝えてあげる必要があります。

事前に伝えておけば、結果が出なかったときにも「ほらね、言ったとおりでしょ。心配しなくても大丈夫だよ、バケツに水は溜まってるからこのまま頑張ろう!」と励ますことができます。

さらにもう一つ。
とても重要なことをお伝えします。

それは成長に注目するという点です。

勉強しても結果につながらないこともありますが、必ず成長はしています。

みんな結果だけに目が向いてしまいがちなんですね。
でも、結果はバケツから水が溢れたときにしか認知することができません。

でも正しく勉強していたら必ず努力した分だけは水が溜まっていきます。
これが成長です。

ここに目を向けてあげてほしいんですね。

ちょっとした変化に気づいてあげることが大事なんです。

塾や学校の先生、親はどうしても結果に目が向きがちです。
バケツから水が溢れたかどうか、だけ。

バケツの中をのぞき込んで水が溜まってるかいちいち確認してくれないんですね。

それではダメなんです。
こまめにバケツを覗き込んで、少しでも水が溜まっていたらその変化に気づいてあげないといけない。

結果ではなく成長に目を向けてあげてください。

結果として「やってもできなかった」という経験も、成長を認めてあげたら、それは「やったらできた」という成功体験に変わります。

「ほら、見て。水が溜まっていってるじゃん。このまま頑張れ。」

この一言で、失敗を成功体験に変えてあげることができるんですね。

周囲のサポートひとつで子どもは変わります。

3.周囲の成功の基準が高く、認められない

正しい勉強の仕方を身につけて努力を重ねていった結果、テストの点数が上がったとします。

本人からすれば努力が成果に結びついており、当然評価してもらえると思う場面です。

しかし、周囲の成功の基準が高いと、これを成功体験としてあげることができないんですよね。

これは最悪のケースです。

成果として表れているのに、それを成功体験に変えてあげられないと「やってもできない」という気持ちを通り越していきます。

周囲からすれば「まだできる」「まだ上を目指せる」という期待の表れかもしれません。

しかし、本人からすれば、

「どれだけがんばればいいんだ・・」
「どこまでいったら成功なんだ・・」

という半分絶望にも似た気持ちになってしまいます。

この問題はつい悪気がなくやってしまいがちです。
解決策は周囲が気づくしかないので、一度自分の声かけを振り返ってみましょう。

まとめ

勉強をやってもできないと思ってしまう根本的な原因は「勉強の仕方を知らない」という点にあります。

そこでつまづいている場合は正しい勉強の仕方を身につければいいんです。
これは簡単に解決できる。

しかし、勉強の仕方を知っていても、周囲が原因で「やってもできない」と思わせしまうこともあります。周囲の評価によって「できた」「できない」という基準が変わってしまうからです。

本人が「やった」という感覚を持っているとき、周囲はそれを成功体験に変えてあげなければなりません。周囲がそれを評価しなければ、「やってもできない」という経験として本人の中に残ります。

周囲がどんな小さなことにも気づいて、それを本人に伝える。そうやって成功体験に変えてあげることで、「やればできる」という自信をつけてあげることができるのです。

多感な時期だからこそ、前向きなセルフイメージをもってよりよい人生を歩んでいけるようにしてあげたいですね。

 

久松

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