こんにちは、中学生専門・伸び悩み解消コーチの久松隆一です。
100点。
これ以外は認めない。
もしあなたがこう言われたら、やる気って湧いてきますか?
ぼくはこんなこと言われたら心が折れます。笑
先日、ある保護者様とのメールのやりとりの中で、
「最近、100点とそれ以外では大違いです」というメッセージが学校から届いたんです、というお話を伺いました。
進学校ということもあり、受験に向けて「もう今から勉強頑張るのが当たり前だよ」という雰囲気作りのためには、必要なことなのかもしれません。「努力するのが当たり前」という環境って大事ですよね。人間は環境に左右される部分が大きいですし、環境づくりは大事です。
でも、外からのプレッシャーだけではやっぱりやる気ってなかなか湧いてこないと思うんです。
- 外からのプレッシャーによってやる気を無理やりつつかれた子どもたちが、本当にやる気が出るのだろうか??
- 自分がそうしたいから動くのではなく、誰かによって動かされるような生き方が、果たして子どもの幸せにつながるのだろうか??
と疑問に思うのです。
今日は、子どものやる気を引き出した先に、どんな未来になってほしいのか?ということについて根本的なところから考えてみたいと思います。
人間が本来もつ「やる気」と『モチベーション3.0』
最近『モチべーション3.0』という本を読みました。
やる気がテーマの本です。
人間の動機付けは社会の進歩とともに、モチベーション1.0⇒2.0⇒3.0というように進化していきます。
モチベーション1.0
モチベーション1.0とは生きるための動機付け。生きるために人は動く、食べるものを得るために動かないと死んじゃうから動く、これがモチベーション1.0です。
モチベーション2.0
モチベーション2.0は与えられた動機付け。アメとムチ=信賞必罰に基づく、外から与えられた動機付け。この条件をクリアしたらこんなご褒美が!!でもクリアできなかったらこんな罰が待っている・・・だから動く!これがモチベーション2.0です。
モチベーション3.0
そして、モチベーション3.0とは自分の内面からわき出る「やる気!」に基づく動機付け。
わたしはこれがやりたくて仕方がない!自分の中からやる気が湧き出てきて、動きたくて眠れない、だから動く!これがモチベーション3.0です。
久松
これまではモチベーション2.0の時代だった
20世紀はモチベーション2.0の時代。産業革命以降の分業制での働き方、単純作業であればモチベーション2.0はある程度機能してきました。だからどの会社もアメとムチを使い分けて従業員を動かすし、学校でも同様なんですよね。
でも、21世紀はどうでしょうか。昨今のAIの進歩により、これから先あらゆる仕事が無くなると言われています。
オックスフォード大学でAIの研究を行うマイケル・A・オズボーンによれば、今後10〜20年で約47%の仕事が無くなると言われています。
AIが人間の仕事を奪うと言うと、悲観的に聞こえますが、AIはクリエイティブな作業には向いていません。そうした時代背景も踏まえると、これから先人間に求められているのは、クリエイティブな作業なのです。
モチベーション2.0は21世紀には向いていない
しかし、残念なことにモチベーション2.0のような外からの動機付けは、クリエイティブな作業には不向きだということが分かっています。
つまり21世紀の社会で活躍する人とは、モチベーション3.0によって自分の内側から湧き出てくる動機付けをもって生きていける人だということです。
自分がやりたいからやる!という想いによって動く、という生き方です。
そうすると、今、学校や会社で一般的であるモチベーション2.0のようなやる気の引き出し方は21世紀を生き抜く今の子どもたちにとっては合ってないんです。悪く言えば、時代錯誤なのです。もう21世紀には通用しません。
それでも学校や会社は簡単には変わらないと思う、少なくとも今後20年は。
じゃあすぐにモチベーション3.0を学校や会社に導入すれば良い!と思うかもしれませんが、それも簡単ではなさそうです。
これまでの慣習もあるし、そもそもこの考え方が一般的になるにはまだ少し時間がかかりそうです。
そして、最大の要因は「手間がかかる」ことです。
モチベーション3.0は手間がかかるのです。だからそれが「普通」になるまでに、まだまだ時間がかかるのです。
モチベーション3.0のアプローチでやる気を引き出すにはどうすれば良いのでしょうか。
そこには3つの要素があります。簡単に言うと、
1.自分でやるぞ!と決める必要がある(自律性)
2.成長して嬉しい!と自分で感じさせる必要がある(マスタリー)
3.そもそも何のために今わたしは頑張っているんだろうかを自分で明確にする必要がある(目的)
の3つ。
想像してみてください。
会社の部下、一人ひとりにこうしたアプローチを取れますか?
「いや、そんなヒマないよ!」って感じじゃないですか?笑
日々の仕事に一生懸命で、とてもそんな時間も手間も掛けてられないですよね。
学校も同じです。
生徒一人ひとりにそこまで手間をかけていられない、というのが現実です。本当に本当に本当に先生は激務です、やりたいと思っていてもできない。
実は、わたし自身もこれは痛い程経験しています。
以前わたしはオープンから3年で、とある市内で中3生徒数No1になった塾の塾長をしていました。
オープン当初は一人ひとりと向き合うことができたけど、生徒さんの数が増えると、どうしても一人一人には目が向けられなくなってしまいました。そうすると、一度に多くの生徒を動かすためには、アメとムチ的な人の動かし方が一番効率的なんですね。
本当は一人ひとりしっかりと向きあって、モチベーション3.0のアプローチで「やる気」を引き出してあげたい。
しかし、どうしたってスタッフの人数は変えられません。人手が足りないのです、圧倒的に。。。
『モチベーション3.0』で子どもを育てたい
だからぼくは独立することにしました。
とても良い塾だったんです、売上よりも生徒のためにを最優先させてもらえる塾でした。でも、生徒さんが増えてくると、一人ひとりとしっかりと向き合って、自分が本当に取りたいアプローチを取れなくなってきたからです。
ぼくは子どもたちに勉強を通じて自信を付けてあげたい、それが彼らの未来を切り開くし、彼らの幸せにつながると信じています。
ここでぼくが言う「幸せ」とは、その子自身が自分がやりたい!と思うことをやって活き活きと生きることです。
つまり、モチベーション3.0の生き方で生きていくのが子どもにとっての幸せだ!とぼくは思っています。
学校のアプローチも分かります。先生は忙しい。効率化しなければならない。現実問題としてそれしかない。だからモチベーション2.0のアプローチ、アメとムチで人を動かすようなアプローチを取るしかない。
理解できます。組織レベルではそうするしかないんです。
でも、個人レベルではそれじゃダメなんです。少々手間がかかってでも、モチベーション3.0のアプローチで子どもと向き合う。
それが21世紀の時代にもマッチするし、本人が活き活きと楽しんで生きていける未来につながる。
それって本当に素晴らしくないですか?
わたしはそう信じています。
あなたはやる気を引き出したその先に、どんな未来を望みますか???
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