こんにちは、中学生専門・伸び悩み解消学習コーチの久松隆一です。
この前、やる気を引き出す褒め方のコツについてお伝えしました。
その中で「見たまんまを伝える」だけで十分やる気を引き出す褒め方になりますよ、って話をしたんですが、この記事を読んでいただいたから方から、ご質問をいただきました。
かいつまんで言うと、
お母さん
という感じでした。
確かに、
- 勉強やらなすぎて見たまんまを伝えることもできない・・・
- もはや言うことをまったく聞かない・・・
- それを通り越して口さえもきかない・・・
という状況の子どもには、見たまんまも何もありません。
正直なところ、ここまで来ると一筋縄ではいきません。耳の痛い話かもしれませんが、親子関係に原因があるかもしれません。
というわけで今回は、親子関係を修復しながら勉強のやる気を引き出す方法についてお伝えします。
親子関係が悪化する原因は?
率直に言いますが、親子関係がこじれてしまった原因は「無理やり」です。
どの親御さんも子どもへの愛に溢れています。だからこそ自分の子どもには失敗させたくない気持ちが強すぎて、つい親の意見を優先してしまいがちです。
ですが、もう彼らも中学生です。
一人の人として十分に尊重してあげるべき年齢になってるんですね。
無意識のうちに、子どもの意見を尊重せず親の意見を「無理やり」通そうとしてしまう。
「勉強しないと将来が不安・・・」
こんな思いから、つい無理やり勉強させたことはありませんか?
- 毎日1時間以上勉強しないとゲームしてはダメ
- 次のテストで○点取らないとスマホは取り上げる
勉強に集中するための環境づくりは大切なことではありますが、これは本人と合意ができている場合のみです。
本人不在のままルールをつくって「無理やり」勉強させようとしてもうまくいきません。
もちろん一時的にはうまくいくかもしれませんし、それで乗り切れてしまう場合も中にはあるかもしれません。
でも、その先にあるのは親の満足だけ。
こうしたアプローチで本当に本人の学力や自己肯定感が上がったという例は、少なくともわたしは見たことがありません。
何ごとにおいてもそうですが、無理やりはダメ!
無理やり勉強させるという発想はまず捨てましょう。
そもそもなぜ子どもはいじけてしまうのか?
親が「勉強しろ」と言ってもまったく勉強しようともしないのは、子どもがいじけまくってしまった状態です。
じゃあ、なぜ子どもはいじけてしまうのか?
それは「できない自分」を認めたくないからです。
前回の記事にも書きましたが、成果で人の価値を評価するとこじれてしまいます。無意識のうちに、世間も親も本人さえも「成果」で自分のことを評価してしまうんですね。
100点取れるヤツはすごい、50点ならすごくない、という具合に。
そうすると、勉強でどこかつまずきがある子は「できない自分には価値がない」と考えてしまうわけです。
点数で評価されがちな学校教育の場で、物心ついた頃から育ってきた子どもたちは、中学生になっても無意識のうちに、点数が自分の価値を計測するモノサシになっているのです。
「自分に価値がない」と考えた子どもはどうなるか?
そうすると、点数が取れないこどもたちは「価値がない自分」をまっすぐ見つめることができなくなります。
それも無意識のうちに。
できない自分に目をつぶることで、自分には価値がないということを認めない。
無意識のうちに自尊心を守ろうとするんですね。
実際に、ぼくがお預かりした子の中にこんな子がいました。
彼はもともとそんなに勉強を苦手とする子ではなかったそうですが、急に学校での授業態度が悪くて何度もご両親は学校に呼び出されたそうです。
ご両親は何度も子どもと話し合いを重ねるうちに、ある時こんなことを言ったそうです。
「勉強が分からなくなってきて、それが恥ずかしくて隣の友だちとずっと話してる」
これは要するに、「できない自分」を認めたくないからわざと態度を悪くしていたんですね。
「できないのは授業を聞いていないからだ」という理由をつくるために。
子どもはできないことが価値がないと思ってしまいがちなので、自分を守るための手段として「いじける」という選択肢を取ってしまうわけです。
いじけてしまった子どもにどう接したらいいの?
ここで対応を間違えてしまうといじけるを通り越して「ひねくれる」までいってしまいかねません。
では、いじけてしまった子どもの自尊心を取り戻すにはどうしたらいいのでしょうか?
それは、子どもが抱えている不安を解消してあげることです。
不安の源は「できない自分には価値がない」という思い込みにあります。
これを取り除いて、安心させてあげてください。
- 「できないことは悪いことじゃないんだよ」
- 「できなくてもあなたには価値があるんだよ」
こうしたメッセージを子どもに届けてあげるだけでいいのです。
そのための第一歩として、
子どもの気持ちをただ受け止めるだけ
これをしてみてください。
「勉強にやる気が出ない」と子どもが言えば、同じテンションで「やる気出ないよなぁ」と伝える。
「やってもムダ」と子どもが言えば、「やってもムダって思うよなぁ」と伝える。
ただ子どもの感情をそのまま受け止めて、同じテンションで共感するだけでいいのです。
ノーアドバイス!!
この時にアドバイスはまったく必要ありません。「やってもムダ」⇒「やってもムダじゃないよ!こうやって勉強すれば追いつけるから!」という返しは必要ないのです。
実際にわたしもこうした失敗を何度も経験しました。
生徒が「やってもムダ」と言ったときに、アドバイスを送ってしまっていたんですね。
わたしからすれば、できるようになるまでの道筋が見えているわけです。
でも、「こうやってやればできるよ!」という道筋が見えているあまり、彼らが置かれている状況が見えていなかったのです。
子供たちはその道筋が見えていないし想像もできない。
そんな中、真っ暗闇の中で一人で戦っているんですね。「できるようになるよ」っていうウソみたいな話よりも、目の前の不安を取り除きたい気持ちでいっぱいなんです。
結果的に「逃げ」と言われるような選択肢であっても、本人からすれば自分の尊厳を守るための大切な戦いですから、そんなきれいごとを言ってる場合じゃない。
そんな子に対してアドバイスなんて一切要らなかったんですね。
そのことが分かるまでに時間がかかってしまいましたが、今では彼らの気持ちに寄り添うことができるようになりました。
暗闇の中にいる子どもたちの横に一緒に立って「そうやんな、不安やんな」と共感してあげる。
そうすることで初めて彼らは安心できる。
まずはそこからなのです。
それが、暗闇の中にいる彼らが一歩目を踏み出すために必要なものなんですね。
必要なのはアドバイスではなく、彼らの気持ちにひたすら寄り添う共感なのです。
ひらすら共感して、彼らの気持ちをただそのまま受け止めるということを続けてみてください。
きっと少しずつ変化が訪れると思います。
安心すれば次に進める!
ひたすら気持ちを受け止め続けると、
「できない自分にも価値がある」
「できないことは悪いことではないんだ」
と気づける時がやってきます。
こうなれば、次のステージに進めます。
ちょっとでもやる気がでたらすぐにサポートしてあげたい
そもそも勉強とは「できない」ことを「できる」ようにする作業なんですが、その第一段階として「できない」ところを発見する、という課題があります。
できない自分を直視できるようになれば、この段階はクリアできるわけですね。
どんどんできないところが見つかってくると思います。
このとき、しっかりとサポートしてあげられるかどうか?が次の段階での課題です。
元々どこかでつまずいてついていけなくなってるわけなので、おそらく一人でつまずきを解決できるだけの力はありません。
まだ歩き始めたばかりで、一人で歩き続けられるだけの体力もありません。
そこのサポートが必要なわけですね。
塾でも家庭教師でも何でも構わないので、再び立ち止まってしまわないように一緒に歩いてくれる誰かが必要です。
そこまで整えてあげらられば、あとは前回の記事に書いたようなアプローチで子どもと接してみてください。
きっとうまくいくと思いますよ!
まとめ
親子関係がこじれまくってまったく勉強しなくなってしまった子どもには、まずは気持ちを受け止めてあげることです。
気持ちを受け止めて共感してあげることで、子どもは安心します。
いじけているのも、愛情を欲している裏返しなんですね。
「勉強しなさい」って言葉は、今のあなたじゃダメ、あなたには価値がないと受け止められてしまうんです。言ってる側にそんなつもりはなくても。
愛情がうまく伝わらずにこじれてしまうのですから、伝わるような方法に変えることできっとうまくいきますよ!
ぜひ参考にしてみてください!
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