お母さん
お母さん
学校のテストの点数が悪かったり、頑張ってるのに覚えられなかったりすると、「この子は勉強ができない子なのかもしれない」と心配になりますよね。
でも、実際のところ、お子さんの能力に原因があるのではなく、正しい解決策を実行すれば、解決できるケースがほとんどです。
この記事では、お子さんの勉強ができない理由を見つけるお手伝いと、その対処法を解説します。
これで頑張った分だけ伸びる子に変身させてあげてください。
そもそも勉強ができないとどのように判断しましたか?
まず最初に質問させてください。
「うちの子、勉強ができないかも…」と思ったきっかけは何ですか?
- 勉強しても点数が取れないから?
- 勉強したことをすぐに忘れてしまうから?
- 説明しても理解力が低いと感じるから?
いろいろなケースがあると思います。
でも、少し立ち止まってみると、これらはあくまでも「親の目から見て」というカッコがつきます。
僕はこれまで1000人以上の中学生の勉強をサポートしてきましたが、親御さんとの面談で「うちの子、本当に勉強ができなくて…」という言葉を何度も聞いてきました。
でも、実際にそのお子さんを指導して思うのは、みんな「勉強ができない子」とレッテルを貼られてるだけ。
できます、普通にできます。
思い込みなんですね、ほとんど。
親御さんからすれば、色んな苦労をしてきたのだと思います。でも、それがなかなかうまく行かなかったから、勉強ができないと思ってしまうのもとてもよく分かります。
でも、実際はほとんどの場合、勉強ができない理由は能力以外の部分に原因があります。
教育心理学者のベンジャミン・ブルームは、40年にわたる調査の結果、こう言っています。
私も経験上、この言葉に心の底から同意しています。
まずは、「うちの子は勉強ができない子」という思い込みがあなたの中にないか、チェックしてみてください。もしあったなら、今すぐ捨ててくださいね。
勉強ができない3つの理由
思い込みを捨てたら、次は勉強ができない理由を正しく突き止めていきましょう。
勉強ができない理由は次の3つです。
- 基礎学力が不足している
- 勉強の仕方が悪い
- 勉強量が足りていない
それぞれにもう少し詳しく解説していきますね。
お子さんがどれに当てはまるのか、チェックしながら読み進めてみてください。(※主に中学生の親向けのチェックリストになっています。)
勉強ができない理由1:基礎学力が不足している
とてもシンプルな話ですが、基礎がしっかりしていないと勉強についていくのが難しくなります。勉強についていけない状態が続くと、勉強が楽しくなくなりますし、お子さん自身が「頑張っても勉強できるようにならない」と思い込んでしまいかねません。
この状態が長いほど、取り返すのが大変になってきますので、気づいたらできるだけ早めに対処してあげたいですね。
チェックは簡単に2つだけ挙げておきます。
□過去の定期テストで50点以下を取ったことがある
□小学校の内容が身についていないと感じることがある
もし、上の2つのいずれか一つでも当てはまるなら、それは基礎学力不足に陥っている可能性が高いです。
特に、英語や数学の定期テストで50点が取れていないケースは要注意。英数は積み上げ科目なので、基礎ができていないと、そこから先の理解がおろそかになります。
数学の場合は、小学校で習った分数や割合ができていないと、やはり中学校内容についていけなくなってきます。
もう少し詳しく基礎学力が足りているかをチェックする方法を知りたい方は、こちらもどうぞ。
勉強ができない理由2:勉強の仕方が悪い
いくら頑張っても、勉強のやり方がマズイと頭に入っていきません。
勉強は脳を使うものなので、脳の仕組みに沿ったやり方で勉強を進めていく必要があります。それを知らずに闇雲に努力しても、エスカレーターを逆走しているようなもので、空回りしてしまいます。
まずは次のチェックリストでお子さんの勉強の仕方をチェックしてみてください。
□参考書や教科書を⾒ながら問題集を解くことがある
□解いている途中で分からないところがあれば答えを⾒ることがある
□問題の解き⽅を教えてもらった直後に、⾃分で解かないことがある
□問題集を⼀回解いただけで繰り返さないことがある
□⾃分ひとりで正解できないのにOKを出すことがある
□スムーズに解けるようになるまで繰り返さないことがある
□分からない問題を⼈に聞かずに答えだけ覚えることがある
□間違い直しは⾚ペンで答えを書くだけで終わりにすることがある
□⾃分の⾔葉で説明できないのにOKを出すことがある
この10のチェックリストに当てはまるものが多いほど、マズイ勉強の仕方になっています。このままでは点数が伸びなかったり、頭に入らないのも当たり前のことです。
なお、このチェックリストについては、勉強の仕方の良し悪しをチェックする方法の記事により詳しく解説してあります。もっと詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。
勉強ができない理由3:勉強量が足りていない
人それぞれ最低限必要な勉強量があります。
よく「中学生は○時間勉強しましょう」と目にしますが、あまり本質をついているとは思えません。
本質は自分ひとりで、何も見ずにできる状態を作れたらOKです。
ここでのチェック項目はただ一つ。
これだけです。自分ひとりで解けるようになるまでにかかる時間が、最低限の勉強量なんですね。(つまり、本来これは勉強の仕方の良し悪しと密接に関わってくる問題です。)
例えば、今日は数学の問題集を2ページ解くことになったとしましょう。この場合は、その日の勉強が終わった時点で、問題集の2ページ分、全部自分ひとりの力で何も見ずに解ける状態になっていたらOKなのです。
この状態になっていたら、勉強時間は何分だって構いません。極端な話、1分でできるならそれでOKですし、10時間かかるなら、それだけ必要ということです。
もしこの質問への回答がNOなら、それは勉強時間が足りていないということです。
基礎学力が不足している場合は何をすればいい?
基礎が足りていないなら、基礎を取り戻すしかありません。
定期テストで50点以下を取ったのはいつですか?一つの目安ですが、そのテスト範囲の単元から復習をスタートしましょう。遠回りのようですが、結果的に点数アップの近道です。
毎日の勉強に復習を組み込めたらいいですが、日々忙しいですよね。次第に続かなくなってしまうケースもあります。
そんなときは、春休み・夏休み・冬休みを利用して、期限を決めて取り組んでみてください。〆切があると人は行動しやすくなります。
この時に「○年生だからこれぐらいできて当然」という思い込みがジャマをすることがあります。仮に中3であっても、中2や中1、あるいは小学校の内容から復習した方が良いと感じたら、プライドを捨てて小学校内容から復習してくださいね。
勉強の仕方が悪い場合は何をすればいい?
世の中には中学生向けの勉強法を解説した本や講座がたくさんあります。
それらのコンテンツを通じて、自分の勉強の仕方のどこが悪いのか?どうすれば良いのか?を学ばせてあげてください。
このブログでも勉強法をあれこれ解説していますが、もし最初の一歩を踏み出すなら、この記事から読み進めることをオススメしておきます。
勉強の基本中の基本で、これを押さえない勉強はすべてムダな努力になってしまいます。
勉強量が足りていない場合は何をすればいい?
最低限の勉強量は、自分ひとりで、何も見ずにできる状態を作るためにかかる時間です。これだけ守って勉強を進めてください。
シンプルすぎて拍子抜けしますが、本当にこれだけで伸びます。
仮にですが、こんなテキストを用意して勉強することになったしますね。
このテキストは14日間で中学英語を復習できるようになっていますが、1日ずつすべての問題を何も見ずに自分ひとりで解ける状態に仕上げていくのです。あるいは1ページずつでも構いません。とにかく自分で決めた範囲を全問正解できる状態を作るまでが最低限の勉強量になります。
とはいえ、なかなか勉強のやる気って出てくるものではありません。結局のところ、親がいくら勉強量を増やそうと思っていても、お子さんに勉強のやる気がないとうまくいきませんよね。
勉強のやる気については、一筋縄でいくものではありませんが、まずはこちらの記事で勉強のやる気を引き出す方法の基本だけ知っておくと良いかもしれません。
番外編:うちの子、すぐに忘れてしまうのですが…
これは勉強の仕方に原因があります。
強い記憶を作るための原則として、
- 繰り返す
- 思い出す練習をする
- 印象に残す
という3点があります。
これらのポイントを守って勉強できていないと、勉強したことをすぐに忘れてしまいます。暗記のコツについては、こちらの記事を参考にしてみてください。
番外編:うちの子、理解力が低いかも…
これについては、2つの原因が考えられます。
1つ目は基礎学力不足です。基礎的な知識が不足していると、説明されていることが理解できないケースがあります。
例えば、先生から
「これは3単現だから動詞の最後にsをつけないといけないね。」
とお子さんは説明を受けたとします。
この説明を理解するには、
- 3人称とは?
- 単数とは?
- 現在とは?
- 動詞とは?
といった基礎を理解していなければなりませんよね。これはあくまでも一例ですが、前提知識がひとつでも抜けていると、説明の意味が理解できなくなります。まずはその可能性を探ってみてください。
もう1つの原因は、先生の教え方の問題です。
説明する側の先生は、自分の言葉をお子さんが理解しているかどうか、把握しながら説明を進めないといけないんですね。
先生として当たり前のことなのですが、それができていない先生も一定数います。塾に通っていてもアルバイトの先生は当たり外れがあるので、親御さんがよく見極めてあげてください。
まとめ
勉強ができない理由について、3つの観点から探ってきました。
勉強ができない理由は、ほとんどの場合、
- 基礎学力が足りていないから
- 勉強の仕方が悪いから
- 勉強量が足りていないから
の3つに由来します。
お子さんの勉強ができない理由は見つかりましたか?
繰り返しますが、親から見て勉強ができないと感じる子でも、ほとんどのケースでは正しい解決策を実施すればお子さんは成長します。
何が原因で勉強ができなくなってしまっているのかを見極めて、その原因を取り除くための解決策を実行してみてください。
正しい努力をすれば、お子さんは必ず成長します。ぜひ「頑張れば自分は成長できる」と実感させてあげてください!