こんにちは、中学生専門・伸び悩み解消学習コーチの久松隆一です。
今日はオススメ本の紹介です。
久松
ちょっと前までは自分には無関係のことだと思っていました。
それがどうでしょう。
最近はAIという言葉を見聞きしなかった日はないんじゃないか?と思うぐらい。
AI時代はもうすぐそこまでやってきているということでしょう。
いえ、確実にやってきているんです。
あなたのお子さんが今中学生だったとしたら、社会に出てバリバリやっている頃には、確実にAIとともに社会生活を営んでいます。
数行だけ小難しい話をさせてください。
テクノロジーの進歩とともに人類は生活スタイルを変えてきました。それは農耕革命、産業革命などの歴史を見れば明らかです。
AI時代の突入によって、人類の生活スタイルや社会が変化することは避けられません。
でも、今の学校教育はAI時代を見越したシステムにはなっていません。
学校の先生は間違いなく頑張っています。
でもシステムがそれに対応していないのです。
お母さん
その一つの答えを示してくれるのが、こちらの本です。
『戦略子育て 楽しく未来を生き抜く「3つの力」の伸ばし方』
本の帯にはこんなことが書いてありました。
- AIに負けない試行錯誤力を育てよう!
- 英語や偏差値、プログラミングはいらない!親にしかできない家庭教育メソッド。
- テストは結果よりも過程。反省会でPDCAを回す
久松
帯にやられて即買いしました。
早速内容を読んでみましたが、寝る間も惜しんで一気に読んでしまいました。
AI時代の教育の決定版といっても過言ではありません。
紹介されているノウハウは、内発的動機付け(内面から出るやる気)の理論がベースになっていると感じられるんですが、その理論を家庭で実践したらこうなるだろうな、って内容。
中学生以下のお子さんを持つ方はもう全員読んでください。笑
大まかな本の構成としては、こんな感じ。
- 1章:これからどんな未来が待っているのか?どんな人材が求められるか?
- 2章:AI時代に必要な力とは?
- 3章〜9章:AI時代に必要な力を鍛える方法
以下ではそれぞれを簡単にまとめてみますね。
1章:AI時代に活躍できる人材
1章ではまずAIがどんな勢いで進歩しているのか、3つの実例とともに語られています。
AIは圧倒的なスピードで進歩している
要するに、「AIの進歩は思って以上に速いよ!」ってこと。
AIの進歩によって人間のする仕事はどう変わるの?
こうしたAIの進歩によって、ルール化が可能な定型的な事務作業はどんどんAIにまかせて、人間がやらなくても良くなります。
実際に、2017年末には、三菱住友海上が営業部門の事務作業を4年で9割AIに代替することを発表したそう。
一方で、その代わりに増えてくる仕事もあります。
それは、新しいものを生み出す仕事。
AIには新商品・新規事業は作れないそうです。
どこかで読んだことがあるのですが、AIは「そもそも論」から問い直すような思考はできないそうです。
例えば、AIは将棋のように、ルールが決められている中では最強になれる。
でも、「どうやったらもっと将棋が面白くなるか?」というような、ルール自体を問い直すような思考はできないのです。
つまり、新しいルールを生み出せるのは人間だけが持っている能力ってことですよね。
だから、AI時代には新しいものを生み出す力が必要になるってわけです。
2章:試行錯誤に必要な3つの力
著者は、AI時代に必要な新しいものを生み出す力として「試行錯誤力」を挙げています。
もともと著者はBCGとアクセンチュアで経営戦略コンサルタントとして活躍されていた方。
しかも、採用担当として1000人以上の面接を経験され、これからの社会でどういう人材が必要なのかについて熟知しています。
その上で、こう言います。
新しいものを生み出すには「高速で試行錯誤を繰り返す」という力が求められます。
これは僕自身も、おうちSTUDYという教育サービスによって起業をして実感しています。
メニューも試行錯誤しながら、より良い形に変えています。
これは人間にしかできない仕事だと自分でやってみて思います。
さらに、著者は試行錯誤力を3つに分解します。
発想力:常識に囚われず新しい発見をし、それを探求できる力
決める力:選択肢を拡げ絞るために、調べて考えることができる力
生きる力:失敗にめげず楽しく前に進み続けることができる力
「あーでもない、こーでもない」と試行錯誤するには、
「そもそも論」から問い直すような新しい発想をして、(=発想力)
何が正解か分からない中から決定し、(=決める力)
失敗を恐れずに前に進み続けるしかありません。(=生きる力)
しかし、残念なことに現実は必ずしもそうではないようです。
2017年にマイナビが新入社員を対象に行った調査によると、新入社員自ら「自分で考え、行動するスキルが足りない」と感じているそうです。
要するに、試行錯誤力がないと感じているのです。
3章以降:「試行錯誤力」を鍛えるにはどうすれば良いか?
3章〜9章では、試行錯誤力を鍛えるための方法について書かれています。
実例が豊富ですし、参考になるところがいっぱいあります。
章のタイトルはこんな感じ。
3章:叱り方・ほめ方
4章:遊び・おもちゃ・ケータイの与え方
5章:おこづかいでの自由と制限
6章:親子コミュニケーションは脱ワンワードと傾聴から
7章:勉強・読書について
8章:お手伝い・イベント企画の任せ方
9章:反抗期を超え自立まで
すべてを紹介することはできないので、「7章勉強・読書について」の中から、1つだけ僕が共感したところを紹介します。
試行錯誤力を伸ばすテスト後の関わり方
帯にも書いてあるのですが、学校のテスト結果が出た後の関わり方です。
これは、かなり僕自身の考え方とマッチしていて、実際にやっていることでもあります。
僕自身は「勉強の仕方」を改善する学習コーチをしていますが、最後は自分で決めるというプロセスをかなり重視しています。
その理由の一つが、まさにココで端的に説明されていると感じました。
7章の大まかなポイントはこんな感じです。
勉強に関していえば、大切なのは成績という結果ではなく、その子の学ぶ姿勢と学び方です。学校のテスト結果の絶対値は(30点でも60点でも)どうでもいいのですが、その改善プロセスには非常に興味がありました。だから、テスト結果が出たら、娘たちと反省会です。
これに対して、著者の娘さん(長女)の証言がこちら。
そう言えば子どもの頃から、テストの後はいつも父と反省会でした。父は勉強しろと言いません。テストの点数(例えば数1と数Bの両方とも赤点とか)を見ても起こりません。
でも、反省会開催は絶対です。
(中略)
父が私に求めたのは高得点ではなく、「自分に合った勉強方法を、自分で見つける」ことであり、「改善のためのPDCAサイクルを身につける」ことでした。
僕の視点から見た素晴らしいと思うポイントは2つあります。
- 結果ではなく過程を見ている→子どもが失敗を恐れなくなる(=生きる力が育つ)
- 改善のPDCAサイクルを身につける(=発想力と決める力が育つ)
こうすれば、試行錯誤の力は間違いなく伸びるだろうと思います。
そして、実際に伸びたようです。
次のエピソードをぜひ読んでみてください。
著者自身が「長女への子育ては終わった」と感じた瞬間
本の終盤に、著者が「長女への子育ては終わった」と感じた瞬間のエピソードが紹介されています。
長女が就職活動をしていて、「最終面接」一歩手前のときのこと。
彼女は、企業側の採用活動の大変さを理解した上で、自分に本当に合う企業かどうかを見極めたいと思ったそうです。(この時点で企業側の視点にすでに立って考えられているのが素晴らしいですよね。)
その時、彼女はどうしたか?
なんと、自ら人事部に連絡し「丸一日会社訪問をさせてほしい」とお願いしたそうです!!!
この時のことを振り返って、著者はこう記しています。
私の質問に対して長女はしばらく考え、パソコンに向かってカタカタと内定企業宛のメールを打ち始めました。「4月○日と○日、空いているので、会社の隅に1日立たせてください」という内容です。さぞ採用担当者も驚いたことでしょう。
でもそれを知ったとき、「ああ、長女への子育ては終わったな」と思いました。そう、これでいいのです。わからなければ自ら動いてなんとかする、それさえできれば、この世にそれほど心配すべきことなどないのですから。
・・感動しちゃいますね。笑
ぼくにも娘がいますが、こんな風に育ってほしいなと心の底から思いました。
ここでは、一例だけしか紹介できませんでしたが、他にもたくさん試行錯誤力を鍛える具体的な方法がたくさん載っています。
実例を交えながらなので、簡単に自分に置き換えて考えることができます。
もう一度言わせてください。
中学生以下のお子さんを持つ方はもう本当に全員読んでください。笑
(偉そうに言ってごめんなさい・・<(_ _)>)
『戦略子育て 楽しく未来を生き抜く「3つの力」の伸ばし方』
以上、オススメ本の紹介でした!