こんにちは、中学生専門・伸び悩み解消学習コーチの久松隆一です。
久松
以前、ある生徒さんのプリントを見て思わず口から出ちゃいました。中学校によってですが、定期テストが終わったら反省と次の目標を提出しますよね。そのプリントに書いてたんです。
中学生
って。
しかもよく見たら、3回連続でそんな目標を書いてる。中学校の先生もそれで「いいね!」ってスタンプ押したらダメでしょ、ってつい思っちゃいました。笑
最近つくづく思うんですが、目標設定とか、モチベーション管理とか、時間管理とか、ひとつの技術だなぁって。
勉強の仕方もそう。
パソコンのブラインドタッチと一緒で、できるようになったら簡単なんですけど、そのスキルを身につけるまでは訓練が必要なんですよね。
でも、中学生の時点では目標の立て方なんて誰にも教えてもらってない。
きちんとした目標を立てなさい、って言われても「きちんと」って何だよ?ってなるのが当たり前かなぁと。
というわけで、今回は中学生が目標設定をするときに使いやすいフレームワークを紹介します。
このフレームワークに沿って目標設定をすれば、むちゃくちゃな目標設定をすることもなくなりますし、行動に移しやすくなります。
目標って行動するために立てるものですもんね。
もしあなたのお子さんの目標が「次のテストで良い点を取る」とか「次は頑張る」みたいに、ふわっとした目標になっていたとしたら、次に紹介するフレームワークをアドバイスしてあげてください。
目標設定に有効なフレームワーク「SMART」
目標設定するときの有効なフレームワークがあります。
SMARTの観点と呼ばれるものなのですが、聞いたことはありますか?
ビジネス書にはよく書かれているので見たことがある方もいるかも。
勉強においてもこの目標設定のフレームワークは有効です。あくまでも僕個人の主観ですが、これまでの経験から言ってもマジで使えると思っています。
過去の生徒の顔を思い浮かべても、目標設定をこのSMARTの観点に沿って設定してあげることで、勉強量がめちゃくちゃ増えました。
すでに最終的なゴールが見えている場合、例えば「高校受験で志望校に受かりたい」というように、ゴールが明確なお子さんには特に有効だと思います。
一方で最終的なゴールが見えていない場合、「なんで勉強してるか分からない」タイプのお子さんにはそこまで効かないかも。
「勉強したいとは思ってるけど、なかなかやる気にならなくてつい・・」というタイプ向けだと個人的には思います。
最終的なゴールが明確になっていれば、あとは行動できるかどうかが勝負じゃないですか。
行動を引き出すためにSMARTは有効なんです。
では早速SMARTを見ていきましょう。
- Specific:具体的で
- Measurable:測定可能で
- Achievable:達成可能で
- Related:(最終目的に)関連していて
- Time-bound:締め切りがある
という5つになります。
Specific:具体的で
これについては以前の記事にも詳しく書きましたが、目標を設定する際は具体的に決めましょう。
具体的にするとは、一言で言えば数字にすること。
- 悪い例:良い点を取る
- 良い例:80点以上を取る
のように数字で表してみましょう。
具体的にすればするほど行動に移しやすくなります。
人間って、目標が遠すぎてイメージできないから行動につながらないんです。
遠すぎてリアルじゃないから。
お子さんにとってリアルかどうか、生き生きとしたイメージが脳内で再生できるかどうか。
これが大事なんですね。
リアルになれば行動します、勉強します。
目標を分解して小さな目標にする
目標を分解するのも具体化の一つのテクニック。
目標のブレイクダウンと言われます。
目標ってだいたい遠い未来にあるじゃないですか。でもそんな遠い未来はなかなか想像しにくいんですよね。
だからやる気が出ない。
やる気を引き出すためには近い未来に目標を設定する必要があります。
東大を首席で卒業してNY州の弁護士をしている超エリートの山口真由さんが、あるインタビューの中でこう言っています。
大きな目標を持つことで、続けるモチベーションにする人もいるでしょう。ただ、わたしは目標はなるべく小さく分解して、自分を追い詰める1カ月後くらいの目標にしたほうがいいと考えています。英語なら、計画を立てる前に至近のTOEICに申し込んでみる。
引用元:STUDY HACKER https://studyhacker.net/interview/mayu-yamaguchi-studymethod-02
大きな目標は遠すぎてリアルにならないんですね。
だからそれを分解して小さな途中の目標を立ててみてください。リアルに実感できるようになるので行動につながります。
例えば、最終目標が3月の公立高校入試だった場合には、
- 途中目標1:9月○日の実力テストで280点を取る
- 途中目標2:11月○日の実力テストで300点を取る
- 途中目標3:1月○日の実力テストで350点を取る
こんな感じで設定してみてはいかがでしょうか。あくまでも例えですので、あなたのお子さんの志望校や目標に当てはめて考えてみてください。
目標は分解しましょう。
リアルになればなるほど、自分ごとになって行動につながりやすくなります。
Measurable:測定可能で
続いては測定可能であるということ。さっき上で数字にして目標を決めてねと書きましたが、これは測定可能にするという意味もあります。
数字にすれば、目標を達成したかどうか測定できますよね。
あるいは達成できなかったとしても、どのくらい足りなかったか、数字でハッキリ表現できます。
これが改善行動につながる秘訣です。
例えば、勉強を1週間で20時間する、と決めたとします。でも結果的に18時間だった。
すぐに2時間足りないって分かりますよね?そうしたら、あと2時間をどう生み出せば良かったか?という視点で改善点を考えることができる。
思考がシャープになるんです。
失敗なんていくらでもしていいんですよ。最初からすべてうまくいくなんてあり得ないもん。
大事なのは失敗したあとで、次に失敗しないためにはどうすればいいか?次の対策を考えること。
測定可能な目標にしておけば、問題点がハッキリするので、効果的な打ち手が思いつきやすい。
だから目標は測定可能な目標設定にしておきましょう、というわけです。
他にも測定可能なものとしては、頻度があります。週に○日、という目標の立て方ですね。例えば週に3日は英単語の暗記を最低20分勉強するみたいな。頻度も測定可能なのでアリです。測定できれば何でもOK。
Achievable:達成可能で
ここはみなさんが一番間違えているところです。集中して読んでくださいね。特に親が主導権を握って目標を設定する時に起こりやすいです。
何が間違いかって言うと、到底不可能だと本人が思っている目標を立ててしまうこと。
これは間違いです。
お子さん本人が「それは無理だ」と思うような目標ではやる気が続きません。
「本人が達成可能だと思っている」レベル感の目標が大事なんです。
アメリカの心理学者アトキンソンが「目標達成へのモチベーション」を公式化しています。
その研究によると、その目標を達成できるかできないか、ちょうど五分五分くらいのときにモチベーションが高まる、とされています。
ハードルが高すぎる目標でもダメだし、簡単すぎる目標でもダメ。そしてそれはお子さん本人がどう感じているかが重要なんです。
ありがちな親の思考はこうです。
「少々高めに目標を設定しておけば、ちょっと目標に届かなくてもそこそこいい点数になるし、目標が達成できたらそれはそれで良いことだしね。」
ついやっちゃってませんか??
意図はすごく理解できますが、結果はうまくいかないことの方が圧倒的に多くなります。
それもそのはず。
本人がそれを「達成可能」だと思ってないから。
目標は自分で決めさせてください。
「五分五分だろう」と本人が思っているレベル感がちょうど良い「達成可能な」目標です。
「なんかうちの子低い目標しか言わないなぁ」と思ったら・・・
余談ですが、普段お子さんの努力や勉強の過程を見ずに、点数や結果だけで評価していると、お子さんは五分五分よりも低めな目標設定をします。
達成できないと怒られる、って心理が働くからです。
これを防ぐためには「失敗してもいいよ、あなたの最大限を出して努力することが大事だからね」というメッセージを常に発信し続けてあげてください。
次第に「怒られる」と親の目を気にしているマインドセットから抜け出して、より高い目標を自分で設定するようになります。
Related:(ゴールに)関連していて
これも盲点になりがちかも。
目標設定をするときには最終目標に関連している必要があります。
例えば、高校受験で志望校に合格することを最終目標に置いたとします。
なのに、プログラミングをマスターする、といった目標を置いたりすることです。
ちょっと極端な例かもしれませんが、意識していないと往々にして起こってしまいます。
一昔前の野球部には「練習中に水を飲んではいけない」って暗黙のルールがありましたが、あれなんかまさにそう。
野球の技術向上に何の関係があるの?って。
しっかりと最終目標を見据えながら、途中の目標を立てましょう。
Time-bound:締め切りがある
ラストは締め切り。締め切りって大事ですね。
Amazonのタイムセールとかやってたらついつい見てしまいませんか?笑
締め切りって人を動かす力があるんですよね。
期限を切るからそこまで頑張ろうって気持ちが湧いてきます。
これは人間の本能的な性質みたいなもの。目標を達成するための原動力になってくれます。
そもそも、いつまでに?っていう期限がなかったら、目標ってただの夢物語じゃないですか。
「わたしもいつかあんなお姫様みたいになりたいなぁ」
ってアニメの脇役みたいなね。
そんな脇役にしてちゃダメですよ、一人一人が主人公でしょう。
でも主人公になるには行動に移さないといけない。そのための工夫として締め切りは確実につくりましょう。
やるべきことができたら締め切りを設定するクセをつけてみてください。
- ○月○日の○時までに問題集を△ページ終わらせる
- ○月○日の○時までに英単語を20個覚える
みたいに、普段から締め切りをつくってみましょう。
ちなみに、締め切りを設定するときも「Achievable:達成可能で」の観点を忘れないように。
無理な締め切りを設定しないように気をつけてくださいね。逆効果になっちゃうので。
まとめ
もう一度、おさらいしておきましょう。
- Specific:具体的で
- Measurable:測定可能で
- Achievable:達成可能で
- Related:(最終目的に)関連していて
- Time-bound:締め切りがある
この5つの観点に当てはまるような目標を立てると行動に移しやすくなります。もちろん達成もしやすくなります。
どうせ目標を立てるなら、成果につながる目標設定の仕方を身につけて目標を立ててみてください。
勉強の仕方も一緒ですが、正しいやり方でやらないと成果につながりません。
あなたのお子さんの目標設定は成果につながる目標になっていますか?
SMARTの観点から意味のある目標設定ができているかチェックしてみてください!
おうちSTUDYは「できない」を「できる」に変える正しい勉強の仕方が身につくオンラインスクールです。
詳細は以下のボタンからご覧ください。