お母さん
と、お困りのあなたはぜひ読んでみてください。
こんにちは、中学生専門・伸び悩み解消学習コーチの久松です。
やはり名将は違う・・・。
ふとまたYahoo!ニュースを見ていたら、ある記事が目にとまりました。横浜高校の渡辺元監督とPL学園の中村元監督の対談記事です。二人併せて甲子園で通算109勝、優勝11回ですよ、ほんとすごすぎる。
二人とも高校野球ファンなら誰もが知っているような名将なんですが、この記事でおもしろいなと思ったのが、二人のスタンスの違い。一言で言うと、ティーチングとコーチングの違いです。
ティーチングとコーチングの違いは、私のように教育に携わる者は絶対に身につけておくべき違いなんですが、中学生の保護者の方にとってもそれを知っておくとお子さんとの関わり方が楽になるかも。
というわけで、この対談記事を通じて、中学生にアドバイスをするときに知っておくべきティーチングとコーチングの違いについてサクッとお話します。
ティーチングとコーチングの違いとは?
まず最初にティーチングとコーチングの違いを整理しておきましょう。
一言で言うと、ティーチングとコーチングの違いは「教える」と「引き出す」です。
これを踏まえて、対談記事をご覧ください。
インタビュアーがこんな質問をしました
──横浜とPL学園は強いだけでなく、卒業後も長く活躍する選手が多い。その秘密はなんでしょうか。
横浜高校・渡辺元監督の回答
渡辺:私は野球をあまり知らないから、その分、真剣に向き合った。そうすると相手も心を開いてくれる。プロに行った教え子が六十数人いますが、技術的に手を加えた記憶はない。いい部分を消したら意味がない。じっと見守る。我慢する。その中で伸び悩むとき、自分が持っている知識を最大限に提供する。それと時代が変わっても、大切なのは本人の意思です。我々指導者にできることは、いかにやる気を起こさせるか。できるようになるまで努力、練習をさせること。そこに付き合うこと。ヒントを与えること。あとは選手の心構えです。
PL学園高校・中村元監督の回答
中村:ぼくは監督になったとき、最初に心がけたことは部員全員に練習の機会を与えることです。「お前ら卒業したら、大学や社会人で野球を続けたいんだろ。そしたら、こういうことが大切だよ」と基本的なことばかり教えました。一番大切なのはキャッチボール。それができれば試合に出るチャンスもある。ぼくは30歳まで現役選手でいられたら、野球選手としては成功者だと思うんです。軟式野球も含めてその年齢までプレーできたら素晴らしいじゃないですか。
引用元:AERAdot: https://dot.asahi.com/wa/2018080300022.html
この2人の名監督の指導スタンスの違いはお分かりでしょうか?
渡辺元監督はコーチング寄りですよね。「大切なのは本人の意思です」と言っているように、本人の中にある答えを引きだそうとしている。一方で中村元監督はティーチング寄り。「基本的なことばかり教えました」というフレーズからも分かります。
どちらの甲子園での実績も十分な名監督ですが、その指導スタンスにはこんな違いがあったようです。もちろん、実際は両監督ともにティーチングもコーチングも使い分けていたんじゃないかと思うんですけどね。
いずれにしても、両者には明確にスタンスの違いがあります。
ティーチングとコーチングのどちらが大事なのか?
では実際に中学生にアドバイスや指導をするときにはどちらが大事なのでしょうか?
二人の名監督のスタンスに違いがあって、そのどちらも実績を残しているから余計にどちらが大事なのか分かりづらいですよね。
どちらかというと、最近はコーチングブームですよね。AI時代に対応するには自発性とか自分で考える力が大事ってよく言われますし、実際にぼくもよく言いますし、本当にそう思います。
じゃあコーチングが正解なのか?
この答えはNOです。
じゃあティーチングが正解??
これもNO。
正解は使い分けが大事です。時と場合であったり、お子さんの現在の状況によってもどちらが正解なのかは違います。というかもはや、これが正解ってものはないのかもしれません。誰も未来がどうなるかなんて予想できませんし、不確定要素に満ちあふれているし、杓子定規にどちらが正解とは言えない。
でも、できるだけ正解に近づける基準はあると思っています。それを紹介したいと思います。
ティーチングとコーチングはどうやって使い分けるか?
わたしが普段中学生にアドバイスや指導をする際に、明確に意識している基準があります。
ティーチングとコーチングを使い分ける基準。
それは「相手の頭の中に正解が入っているかどうか」です。
例えば、勉強の仕方についてアドバイスをするときに「×が1つもなくなるまで繰り返す」ということをお伝えしています。これは勉強の基本というか、×をほったらかしにするから点数が伸びないわけです。だから勉強するときには×が1つもなくなるまで繰り返すという正しいやり方(=正解)で実行しなければなりません。この正解が、相手の頭の中に入っているかどうかでティーチングとコーチングを使い分けます。
もしこの正解が頭に入っていなければ、インプットするしかありません。ティーチングが必要です。つまり、
久松
と明確に伝えてあげる必要があります。もちろんその際には納得感を生み出せるように、身近な例で例え話をしたり、ご本人の興味のあることに絡めてお話したり、工夫をもってするのですが、話がそれてしまうので、いったんパス。とにかく相手の頭の中に正解がインプットされていなければ、教えてあげる必要があります。
一方で、すでに相手の中に正しい答えがインプットされている場合はどうか?コーチングです。すでに正しい答えは持っているのでそれを引き出してあげるだけで良いのです。例えば、
久松
久松
のような感じです。
もう一つ、ご本人が正解を知っていても、それをするのがイヤで正解を選ぼうとしないとき。これもコーチングです。例えば、×が1つもなくなるまで繰り返すのが大事だって分かってるけど、繰り返そうとしないとき。「なんで選ばないの?」なんて聞いたら終わりなので、
久松
という感じ。
で、理由を聞き出してみたら、
中学生
という答えが返ってきたとします。そうしたらそれは「時間管理」がテーマなので、今度はその時間管理に関する正解が相手の頭の中に入っているかどうか。もし正解が頭に入っていなかったら、今度はティーチング。
久松
という感じ。時間管理の方法を教えるのです。で、インプットが済んだら、今度はコーチングに切り替えて、
久松
と締めます。だいたい「はい、やってみます」となります。これで一件落着です。
まとめ
大事なのは相手の頭の中に正解がインプットされているかどうか。これによってティーチングとコーチングを使い分けてみてください。
すでに正しい答えがインプットされているのに、「こうやりなさい」とティーチングをしてもお子さんはきっと聞く耳を持ちません。コーチングに切り替えてみてください。アドバイスは聞いてもらえて初めて意味を持ちます。このスイッチを切り替えながらコミュニケーションを進めてみてください、スムーズに解決への道のりを歩んでいけます。
ぜひ参考にしてみてください!
久松
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