こんにちは、中学生専門・伸び悩み解消学習コーチの久松隆一です。
「中1ギャップ」って言葉、聞いたことありますか?
わたしも初めて「中1ギャップ」って聞いたときは何ソレ??と思ったんですが、内容を調べて知ったときに「なるほど、アレのことか」とすぐにピンときました。
wikipediaを引用すると、
中1ギャップ(ちゅういちギャップ)とは、日本の一部の児童が、小学生から中学1年生に進級した際に被る、心理や学問、文化的なギャップと、それによるショックのことである。
特に、勉強の面では、
中学校以降、科目数が増え、中間・期末考査が導入され、別々の教員から授業を受けるため、教員との関係や日々の勉強、試験対策などが小学校時代よりも大変になるため、不適応になる人間が出てくる。
といったことが起こります。
実際に中1で勉強につまずくと後々本当に苦しくなってくるので、なんとかしてあげたいんですよね。
というわけで、今回は、
- 中1はいつ勉強につまずくの?
いつから勉強のフォローをしてあげるべき?
といったテーマについて、これまでのべ1000人近くの中学生を指導してきたわたしの経験を基にお伝えします。
中1が勉強につまずくのは2学期が多い
結論から言いますが、中1が勉強でつまずくのは2学期に入ってからが多いです。もともと1学期の頃から予兆は絶対にあるはずなんですが、結果としてはっきり見えるのは2学期になってから。
1学期のテストは各科目とも比較的易しめな単元が多いんですね。
テストもカンタン。
英語であればアルファベットからスタートですし、数学も正負の計算、理科は植物が中心なので「暗記」でなんとかなる。
だから比較的点数が取りやすい。これが1学期。
しかし、2学期になると、英語であれば3単現を習うことになる。
この3単現がくせ者でして、1学期に複数形のsを習っているので、区別がつかなくなってきます。
そもそもbe動詞と一般動詞の区別もしないといけないのに、どんどん判断が複雑になってくるのでもう頭が混乱してくる。
英語だけではなく、数学にしても計算だけで良かったのに関数の問題がはじまったり、理科にしても科学・物理の分野が入ってきて暗記だけでは乗り切れなくなってくる。
各科目、2学期から難易度が上がるので、ここでガクンとくる子が多いです。
中1の冬から塾に通い始めるのでは手遅れ
わたしの経験では、中1のお子さんは冬期講習から塾に通い始めるケースが多かったです。
2学期につまずきがたくさん出てきて、「もう限界!!!」って。
特にわたしは個別指導塾の現場にいたので、ついていけなくなってからお越しいただくケースがけっこうありました。
そもそも300点を切ったぐらいからはもう勉強についていけてないので、すぐにでも通塾を検討してほしいんですが、色んな事情もありますし、なかなか難しいところですね。。。
すみません、話が逸れました。
で、冬から通塾をスタートされるのですが、実際は夏から怪しかったんじゃないの?という子がかなり多いんですね。
+−の計算や方程式から怪しくて、2学期はなんとか誤魔化しながらやってきたけど、誤魔化しきれなかった。
ここはちょっと強めにお伝えしたいんですが、つまずいたらなるべく早くフォローしてあげてほしいです。
取り返すのって余計に本人に負担かかっちゃうんです。
ついていけてる状態で学校の授業を聞くのと、ついていけない状態で学校の授業を聞くのとでは、全然理解度も違ってきます。
本人の心理的な負担も違います。ついていけなくなってからの授業は苦痛でしかないんですね。
もっと勉強しなさいって言われるけど、そもそも「どこが分からないか分からない」ってなってるわけで、どこから勉強したらいいかもわからない。
やみくもに勉強してみるけど、無駄なことばかりしているので、結局勉強しても結果につながらない。
これでは本人が自信を無くして当たり前ですよね。
中1の1学期期末テストで340点以下ならすぐに夏からフォローしてあげてほしい
中1の2学期に崩れるのは、1学期からすでにそうなる要因を抱えているケースが多いです。
1学期は学習内容がカンタンなので、まだ表に現れてこないだけで実際は1学期から危ない。
これは点数に関わらず言えることですが、中1の1学期ってかなりハードなんです。テストも初めての経験ですし、部活も最後の大会に向けて最終下校時間ギリギリまで練習がある。もうヘロヘロです、みんな。
こんな中で必死に頑張ってるのが1学期なんですね。正直、ほとんどの子が定期テストの勉強が上手にできていません。
でもまだ学習内容がカンタンですし、テスト自体もカンタンなので何とかなっているだけ。
それが2学期になって結果として表れてくるんですね。今これを書いているのが6月末なので、ちょうど期末テストの時期なのですが、この時期にはすでに2学期の結果って見えてくるんです。
ここで340点切ってたら、夏からフォロー入れた方が良いと思います。340点とするのには、理由があります。
中1は1年間で5科目の平均点が70点下がる
いつも中1の保護者の方と面談の時はこれをお伝えしているのですが、1年間で5科目平均70点下がります。
これは中学校から出されている成績表を見れば分かります。
(もし実際に見ることができるならご覧ください)
もちろん中学校によってバラツキはありますが、1年生の1学期中間テストから学年末テストまで、5科目の平均点が70点前後下がります。
裏を返せば、70点までは下がっても当然ぐらいに思っておいた方が気が楽かもしれませんね。笑
で、上記に「1学期期末テストで340点が塾を検討する目安」としたのは、1学期期末テストからで考えると50点前後下がるからです。
つまり、夏の時点で340点だと、1年生の終わりには300点を切ってくる可能性があるわけです。
300点切ったらもうそれは「勉強についていけてない」と言えます。
1年生1学期期末テストで340点以下だと、まだ点数的には大丈夫そうに見える。
けど、実際には「ついていけてない」と言っても過言ではないということですね。
まとめ
勉強は万人において必ずできる必要があるとは思いません。
「今でしょ」の林先生も、著者の中でこう言っています。
お前は勉強ができる。おれはうまい寿司を握れる。
こんなふうに「お互いに色んな価値観を認められるような社会になったら良い」と言っています。
本当にそのとおり。
勉強というモノサシだけでお子さんの価値を計らずに、いろんな価値観で計ってほしい。
だからこそ・・・
中学生のうちに、本人が自信をなくすような経験をさせては絶対にダメだと思うんです。
特に、「やってもムダ」とだけは思わせてはいけない。
「やってもムダ」が発生するのは、ついていけない状況が長く続いた結果でしかありません。1回や2回では起こりえません。
そうさせないためにも、フォローはできるだけ早い方がいい。
それを判断できる最初の目安が、中1の1学期期末テストで340点です。
2学期からは勉強につまずいてしまう可能性がかなり高いので、ぜひこの夏からフォローしてあげてほしいなぁと思います。
次の目安は、中1の2学期期末テストで300点。
300点を切ったら、お子さん一人の努力では何ともならないかもしれません。
ぜひ早めにフォローしてあげてください。
久松
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