中学生
こんにちは、中学生専門・伸び悩み解消学習コーチの久松隆一です。
今回は中学生のための、社会の勉強法について。
- 中学社会のテスト勉強の仕方が分からない
- 社会のテスト勉強をしてもなかなか点数につながらない
- 勉強してもすぐに忘れてしまう
といった中学生とその親御さんのために、中学社会の定期テスト勉強法を手順つきで解説します。
社会は暗記科目って言われますよね。
社会のテスト勉強のポイントはやはり「記憶に残りやすい暗記のコツ」を身につけることでしょう。それができれば、社会の中間・期末テストで80点以上を取るのは夢でありません!
そこで、この記事の前半では、記憶に残すための3つのポイントについてサクッとお伝えします。
さらに後半では、実際にどんな問題集を使って、どんなふうに勉強を進めていったらいいのか、具体的な手順を紹介します。
強固な記憶を作るための3つのポイント
社会の勉強法の具体的な手順の前に、暗記の3つのポイントをお伝えします。
よく「頭が悪いから覚えられない・・」と言う人がいますが、これは間違いです!脳の仕組みを生かして、勉強していないだけです。
強固な記憶の仕方を身につければ、誰でも強固な記憶を作ることができます。
暗記に強くなるために知っておくべきポイントは、
- 反復すること
- 印象に残すこと
- 思い出す練習をすること
の3つです。
ポイント1:反復すること
これは定番のアドバイスですが、定番だからこそ効果があると考えてみてください。
中学生
って人は別ですが、世の中の99.9%の人は繰り返さないと記憶に残らないということが分かっています。
認知科学の研究においても、3回以上繰り返さないと人は記憶に残らない、ということが分かっています。
心理学者のグレアム・ナットホールが数年前にこの考え方を独自に開拓し、ある概念が本当に身につくまでには、少なくとも三回は取り組む必要があることを研究で証明した。
対象が何であろうとなにがしかの学びを得るまでに教材を数回はやってみる必要がある。「情報が不十分な場合、あるいは、三回取り組んだ経験が無い場合、学生はその概念を習得しませんでした」とナットホールは述べた。
(アーリック・ボーザー『Learn Better』p157)
記憶に残したければ、最低でも3回以上反復するようにしましょう!
ポイント2:印象に残すこと
これも記憶に残すためには非常に重要なポイントですね。
ちょっと思い出してみてください。小学校時代の恥ずかしい思い出ってありませんか?それってきっと記憶に残ってますよね?
僕の場合、小学校3年生の校外学習のバスの中で、担任の先生を「ねえ、お父さん」と呼んでしまって爆笑されたことをいまだに覚えています。
あと、大きな声では言えませんが、中1のとき、英語の授業でuncleをユンケルと呼んで爆笑されたことも・・・。
その話はさておき、脳は印象に残っている出来事を深く記憶してくれるのです。だからこそ、何かを記憶したい時には「印象に残す」というポイントを守って暗記してみましょう。
具体的なテクニックについては、後から実際の問題を例にして紹介しますね。
今ここでは「記憶するためには印象に残すことが大事なんだね!」というぐらいに理解しておいてください。
ポイント3:思い出す練習をすること
3つ目のポイントは「思い出す」練習。
暗記って言うと、どちらかと言えば「覚える」というイメージがありませんか?すると、どうしても見たり聞いたりするインプットに意識が向くと思います。
しかし、実際には見たり聞いたりするよりも、思い出す練習をしたほうが記憶に残りやすい、ということが認知科学の研究によって分かっています。
つまり、「インプット<アウトプット」の意識が大事ってこと!
これは専門用語で「検索練習」と言うのですが、別名は「テスト効果」(この言葉は覚えなくてもいいです!)。そう、「テスト」をするのがポイントなのです。
テストと言っても、自分で覚えているかどうかを確かめる「セルフテスト」で構いません。
ニューヨークタイムズの行った調査によると、「テストを繰り返す」という勉強の仕方すると50%以上も記憶に残りやすい、ということが分かっています。
他にもたくさんの研究で科学的に効果が証明されていますが、思い出す練習は最強レベルに効果が高いことが分かっています。記憶に残したいことは「(繰り返し)テストをすればいいんだな!」と理解しておいてください。
ここで紹介した3つのポイントを守って勉強すれば、かなり社会の暗記もスムーズになります!必ずこの3つを身につけておきましょう!
中学社会は何を使って勉強したらいいの?
社会のテスト勉強で使用する問題集でオススメなのは学校のワークです。
定期テストはワークに書かれている内容から出題される場合がほとんどだからです。80点を目指すならば、まずはワークを完璧にするのが一番手っ取り早い方法になります。
学校のワーク以外なら、『教科書ワーク』『教科書ぴったりトレーニング』などの教材がオススメです。
『教科書ワーク』シリーズ
地理
歴史
公民
『教科書ぴったりトレーニング』シリーズ
地理
歴史
公民
なぜこの2つをオススメするかと言えば、ステップバイステップ形式になっているからです。
(学校のワークもこの形式の場合が多い)
ステップバイステップ形式とは、
基礎→応用→実践
のように、少しずつ問題レベルが上がっていくような形式のこと。何事もそうですが、基礎から一つずつ固めていくのが一番の近道です。
特に、定期テスト勉強は時間との勝負。効率がカギになるので、ステップバイステップで進めていきましょう。
社会の勉強をするときに気をつけるべきポイント
これは社会に限った話ではないかもしれません。テスト勉強全般に言えますが、使っている問題集を完璧にする、ということがポイントです。
(※受験勉強になると話が別)
完璧にするとは、ワークに書いてあることをすべて覚える、ってことですね。もう少し具体的に言うと、何も見ずに解いて全問解ける状態にする、ってことです。
え!?そんなの無理!!!
中学生
って思うかもしれませんが、上で紹介した正しいやり方で勉強すればきっとできますよ!最初から諦めずに、まず1ページだけでもやってみてください。
それでもハードルが高いと思ったら、最低でも9割以上を目指してください。10問中9問以上の正解を目指しましょう。
社会の問題集をどうやって使えばいいの?
ここからはワークを実際にどうやって使っていけばいいのか、具体的な手順をひとつずつ解説していきます。
大きく3つの手順に分けて考えてみましょう。
手順1:小分けにして1ブロックずつ覚える
手順2:ときどき前のブロックに戻る
手順3:なかなか覚えられない知識に一工夫する
手順1:小分けにして1ブロックずつ覚える
問題集にはいっぱい問題が載ってますよね。テスト範囲がいくら狭いといっても、最低でも100問以上は覚えるべきことがありますよね。
そのすべてを一気に覚えようとするのは無謀です。だからこそ「小分け」にして覚えることがコツです!
ごはんでもそうでしょ?朝ごはん、昼ごはん、晩ごはんに分けて食べるから、食べられる。朝昼晩ごはんを一度に食べるのは無理ですよね。
記憶する時もこれと同じです。一度にすべてを覚えるよりも「小分け」にした方が覚えやすいことが研究によって分かっています。(これを専門用語で「チャンク化」といいます)
まずはワークの問題を小分けにしましょう。
写真で解説すると、こんな感じ。
(新興出版社『教科書トレーニング』社会地理(東京書籍版)より)
ブロック1、ブロック2のように小分けしていくつかのブロックに分けてみてください。
ひとまず1ブロックあたり7問前後を目安に。多いと感じたら、減らしてもいいですし、少ないと感じたら増やしても構いません。やりながら自分に合った数を見つけていきましょう。
小分けにしたら、その1ブロックずつを完璧にしていきましょう。
このとき、気をつけてほしいことが2つあります。
1つ目は「テスト形式」で行うこと。
暗記の3つのポイントで紹介したように、記憶に残すためには「思い出す練習」をすることが大切!
ですので、1ブロックずつセルフテストをして、OKになったら次のブロックに進みましょう。
2つ目は「OKライン」です。
問題をやりながら、自分で「これはもう覚えた、OKだな!」とOKを出しますよね。このOKの基準を知っておいてください。
なかなか覚えられない人はこの基準が甘いことが多い。
では、OKラインは何かというと、”反射的に”答えられるようにするということ。
反射的とは理想を言えば1秒。
でも、1秒にこだわりすぎると逆に効率が落ちてしまうので、3秒まではOKと考えてください。3秒以内に、その答えが思い出せたらOK!という基準で解いていきましょう。
仮に1ブロックに7問あったとしたら、その7問すべてが反射的に答えられたらOKです。
7問中1問でも反射的に思い出せない場合は、その7問をすべて繰り返すようにしてください。最終的に7問すべてが反射的に解けるようになれば、そのブロックはOKです。次のブロックに進みましょう。
手順2:ときどき前のブロックに戻る
手順1を繰り返していくと、いくつかOKになったブロックが出てきますよね。
しかし、これで「もう覚えた、大丈夫!」と安心してはいけません。人間は忘れるからです。
人間の脳はそもそも忘れやすいようにできているので、「忘れて当たり前」というつもりで、忘れることを計算に入れながら勉強したほうが良いんですね。
暗記が苦手な人ほど「一度やったし、その時できてたからOK!」と判断してしまいがち。
でも、自分では覚えたと思っても忘れているんです(だいたいテスト本番中に気づいて「がびーん」ってなりますね)。だからこそ、ときどき戻って「本当に覚えているかチェックする」作業が大切です。
ときどき戻っては「セルフテスト」するようにしてみてください。
もう一つ補足ですが、実は、この「ときどき戻る」というテクニックは、記憶に残しやすくするためにも有効です。
科学的には「あえて少し忘れさせてから、もう一度復習をする方が記憶に残りやすくなる」ということが分かっています(これを専門用語で「間隔反復」といいます)。
1ブロックずつ進めていくと、最初の方にやったブロックは少し忘れていきますよね?なので、少し忘れたタイミングでもう一度戻って復習してあげる。そうすれば自然に記憶に残りやすいタイミングで復習できますよ、ってこと。
ときどき戻るタイミングですが、「2ページ終わったら」を一つの目安にしてみてください。これも実際にやってみながら、自分に合ったタイミングを見つけていきましょう。
手順3:なかなか覚えられない知識にひと工夫する
最後の手順は、なかなか覚えられない知識に使ってください。
手順1と2を繰り返していれば、基本的にはどんどん覚えられると思いますが、それでもどうしても覚えられないものってありますよね。その場合に、最後の手段としてひと工夫加えていきましょう。
何をするかと言うと、暗記の3つのポイントの中の「印象に残す」というテクニックを使います。
例えば、こんな問題があったとします。
火山の噴火によってできた大きくて広い「くぼ地」を何といいますか?
答えは「カルデラ」です。
この問題がなかなか覚えられなかったとしたら、どうしたらいいでしょうか?
あ、ちょっとストップ。
その前に、、、
そもそも「カルデラ」と聞いて、イメージが浮かぶでしょうか?
浮かばない場合にはGoogleで検索をしてみてください。イメージが浮かばない言葉は覚えられないからです。
このとき「画像検索」にするのがコツです。こんな感じですね。
画像を見たら、カルデラは問題に書いてあるとおり「くぼ地(=くぼんだ土地)」であることが見て分かります。くぼんでいるところに雨が溜まって湖のようになっていますね。
こうしてまずは「カルデラ」と聞いてイメージが思い浮かぶ状態にしましょう。
で、ここからが本番。「印象に残す」ためのひと工夫を加えます。
印象に残すための手っ取り早い方法の一つは「無理やりこじつけて変なイメージ」をつくることです。
もう一度言います。
「変なイメージ」を作ってください。
もうとても人には言えないような、自分の世界の中で変な想像をするんです!「カルデラ」という言葉から、こじつけでもいいので、何か思い浮かびませんか?
わたしの場合は、
カルデラ→カルピスデラックス
ですね。デラックスサイズのカルピス。笑
この「カルピスデラックス」を、カルデラの画像に無理やりこじつけて変なイメージを作ってみます。
こういうのはどうでしょう?イメージしてみてください。
くぼ地に溜まっている水が全部カルピスだったら???
中学生
ってなりませんか?
(※ここは「なります」ってことにしといてください)
こうして、思わず「ふふっ」と笑ってしまうような変なイメージができたらこっちのものです。
あとは、この問題を解くとき、いつも「カルピスデラックス」のイメージを思い浮かべてください。何度か繰り返しているうちに記憶に残っていると思います。
これが手順3の「印象に残す」です。
ただ、この手順3は少し手間がかかってしまいますよね。全問やってたら時間が足りなくなってしまうので、なかなか覚えられない場合にだけ使ってみてください。
まとめ
最後に社会の勉強法のポイントを簡単にまとめておきます。
記憶に残すための3つのポイントは、
- 反復すること
- 印象に残すこと
- 思い出す練習をすること
です。
この3つのポイントを生かして、次の手順で進めてみてください。
- いくつかのブロックに小分けにする
- 1ブロックは7問前後を目安にする
- テスト形式で問題を解く
- 1ブロックずつ「反射的に」解けるまで繰り返す
- 「覚えた」と思っても実際に解き直してチェックする
- 戻るタイミングの目安は、2ページ進んだら戻る
- 印象に残すように工夫する
- 手っ取り早い方法は「こじつけ」+「変なイメージ」
- 少し手間ががかかるので、なかなか覚えられない場合に活用する
社会は記憶に残しやすい勉強法を正しく実践すれば、定期テストで80点オーバーも夢ではありません!
ここで紹介した勉強法をぜひ試してみてください!
なお、定期テストの勉強法については、こちらにガッツリまとめてあるので、参考にしてみてください!