こんにちは、おうちSTUDYの久松隆一です。
頑張っているのに、なかなか成果に現れてこない…
親の目から見ても頑張っていると思うけど、努力が空回りしている気がする…
自信を失いかけているような気がして、ちょっと心配…
せっかく頑張っているのに、なかなか成長が目に見えないと見ているこちらまで辛くなりますよね。
でも、安心してください。
努力が空回りしてしまう原因は勉強技術の不足にあります。
中でも、特に多いのは自己観察スキルの不足。
自分のことをよく観察していないせいで、
「どこが分かっていないのか」といった間違いの原因を突き止めないまま、先に進もうとしてしまうのです。
でも、もし「自己観察スキル」があれば、自分で解けない原因を見つけられるので、解決のための正しい努力ができるようになる。
空回りは解消します。
お子さんはもう自己観察スキルが身についていると思いますか?
今回の記事は自己観察スキルを身につけて努力の空回りから脱出する方法について解説します。
しかも、今回は僕が1:1レッスンで実際にトレーニングしている内容の一部をそのまま出しています。
この記事を読んで、空回りから脱出するきっかけにしてください。
なぜ空回りしてしまうのか?
どうして頑張っているのに、努力が空回りしてしまうのか?
その原因は勉強技術の不足、特に、自己観察スキルの不足に大きな原因があります。
最大と言ってもいいかもしれません。
まずはこの「自己観察スキル」について簡単に説明します。
自己観察スキルとは?
自己観察スキルというのは、簡単に言えば「自分のことを客観的に見つめる力」のことです。
よく僕は生徒さんに、
「実際に勉強する自分」と「それを横で見ている自分」とを分けて考えようね!
という話をします。
ポケモンで例えると、「ポケモンである自分」と「トレーナーの自分」に分ける、ということです。
で、この自己観察スキルとは「トレーナーとしての自分」が「ポケモンである自分」のことを観察する技術のことを指しています。
この観察する技術があれば、
「お、このポケモンは草タイプが苦手だな」とか
「このポケモン、そろそろ体力が無くなってきたから、回復させてあげないとな」とか、
うまくいかない原因や、その解決策が自然に見えてくるようになるんですね。
勉強で言えば、
ここが分かっていないから、解けないんだな!
この公式がうまく使いこなせていないな!
集中力が切れてきたから、そろそろ休憩をいれないとな!
といったように、自ら勉強内容がうまく身につかない原因や解決策を見つけることができるわけです。
でも、この自己観察スキルがないと…
自己観察スキルがないとどうなるのか?
自己観察スキルがないと、客観的に自分のことを観察していないので、自分がうまくいかない原因に気づけないんですね。
このパターンにはまると、
- 自分がどこが分かっていないのか分からないまま、闇雲に問題の演習量を増やしてしまう
- 分からないところが分からないから、丸暗記で何とかしようとしてしまう
- やる気も集中力も限界を迎えているのに、休憩せずにダラダラ勉強してしまう
といったように、
それぞれの状況に応じて、自分にとって本当に必要な行動を取れなくなってしまいます。
これでは当然自分を成長させることができません。
さらにドツボにはまっていく…
しかも、空回りする原因を自分で突き止めていないので、
もっと頑張らないといけない!!!
と、さらに努力量を増やしてしまいがち。
でも、真の原因は残ったままです…。
こうして、空回りループにハマって消耗してしまうんですね。
僕はもともと、個別指導塾の現場にいて、このような空回りループにハマっている子を何人も見てきました。
僕は、そんなサポート失敗経験を経て、ようやく気づけたんですね。
「あ、彼らがうまくいかない根本原因は自己観察スキルにあるな」と。
こんな経緯があって、今は1:1で勉強技術を習得してもらうレッスンをしているというわけなんです。
で、以下では、このような問題意識から生み出した勉強技術のトレーニングメニューの一部をここで公開するので、ぜひ活用してみてください。
自己観察スキルを身につける実践練習法
自己観察スキルといっても、さらに細かく分類できるのですが、踏み込み過ぎるとややこしくなってしまうので、今回は1つだけ。
もっとも手軽な自己観察スキルの練習法を紹介します。
今から紹介する練習法は、間違い直しをするタイミングで使ってください。
これだけでずいぶん空回りしなくなります。
何をすべきか?というと、間違いパターンの分類です。(※パターンの紹介は後ほど)
間違い直しをするとき、答えを見たり聞いたりした後で、
どのパターンに当てはまっていたせいで、自分は解けなかったんだろうか?
と自分に質問してあげてください。
この習慣を身につければ、確実に自己観察スキルは向上します!
次の3つのパターンにどれに当てはまるのか?自分に問いかけてみてください。
間違えた原因を3パターンに分類してみよう
- その問題を解くために必要な知識が足りていなかった(知識不足パターン)
- 知識は知っていたのに上手に使いこなせなかった(練度不足パターン)
- 問題の指示を勘違いしていた(勘違いパターン)
これだけだとちょっと分かりづらいと思うので、もう少し詳しく、この3パターンについて例を挙げて解説しますね。
①知識不足パターン
もっとも多いパターンです。
何かしらの知識が頭に入っていなかったので、解けなかったというケースがこれに当てはまります。
例
- Januaryの意味を知らなかったので日本語訳ができなかった
- 合同条件を覚えていなかったので分からなかった
- 「航路」という漢字を知らないので読めなかった
- 肺循環と体循環の違いをよく理解していなかたので間違えた
- 江戸時代の三大改革を覚えていなかったので答えられなかった
といったようなケースがこれに当てはまります。
要するに「そんなこと知らなかったなぁ」というときはコレです。
②練度不足パターン
これは、少し学習が進んだときによく起こるパターンです。
答えを聞くと「あぁ!分かってたのにー!」と思うときや、「知っていたけどスムーズに出てこなかった」ときはコレです。
例
- Januaryって見たことあるのに何月か思い出せなくて間違えた
- 合同条件は言えるけど実際の問題になるとうまく使えなかった
- 「航路」という漢字がなかなか出てこなかったけど答えを聞いたら「それそれ!」となった
- 肺循環と対循環の違いは言えるのに、問題を解いたときになぜか逆にして書いてしまった
- 江戸時代の三大改革がごちゃごちゃになって「寛政の改革」と「天保の改革」を逆になっていた
といったようなケースがこれに当てはまります。
そういえば、1:1レッスン中によく、
「知識不足」と「練度不足」とのどちらに分類したらいいか迷うことがあります
と相談を受けるのですが、迷ったときは「知識不足」と判定してください。
これらの境界線はとても曖昧なもので、明確な線引きはありません。それならより深刻度が高い「知識不足」と判定しておいた方が自分のタメになります。
③勘違いパターン
これは問題を読み間違えているときに起こります。
問題で聞かれていることとは違うことを答えていたり、問題に書かれている条件を無視してしまっていたり、見逃していたときはこのパターンです。
例
- 「日本語に訳して答えなさい」と言われているのに英語のまま書いてしまった
- 問題では線分ABの長さを聞かれているのに△ABCと△DEFの合同を証明しただけで終わってしまった
- 「約20文字で抜き出しなさい」という形式で書くよう指示があるのに、10文字しか書かなかった
- 「銅が完全に化合しなかった」と書いてあるのに、全部化合したと思い込んで重さを計算してしまった
- 記号で書きなさいと書いてあるのにそのまま文字で答えを書いてしまった
といったパターンがこれにあてはまります。
以上3つのパターン、それぞれ理解できましたか?
パターンの解説はこれぐらいにしておいて、次に「パターン分類をするメリット」について解説します。
パターン分類をするメリット
間違い直しのパターン分類をするメリットは、自然に自己観察モードのスイッチが入るようになるからです。
自己観察モードに入れば、解けなかった原因を見つけることができますよね?
これが最大のメリットであり、この自己観察モードに入る回数が増えるたびに、自己観察スキルは向上していきます。
もちろん、最初は練習が必要です。
僕のレッスンでも、人それぞれペースは異なりますが、この自己観察スキルを日々使いこなせるようになるまで3~6ヶ月程度はかかります。
ただ、これは技術なので、練習すれば誰でもできるようになります。
粘り強く練習してみてください。
パターン分類ができたら、次は何をすれば良いのか分かる
こうしてパターン分類ができるようになれば、自然に次に自分は何をすべきか?が見えてきます。
例えば、
不足している知識を覚えたり、理解したりする必要がある
うまく使いこなせるようになるまで復習をくり返す必要がある
自分がどんなときに読み間違えるのかを理解して、次に同じことをくり返さないように対策する必要がある
といった具合に、間違いパターンごとに原因を解消するための対処法が見えてきます。
こうなれば、自分の課題に応じた対処法を見つけているので、意味のある努力ができるというわけです。
まとめ
勉強が空回りしている人は、自己観察ができていないせいで、自分がうまくいかない原因を発見できていません。
自分の課題が見えていないのです。
だから、次に何をすべきかも分からず、闇雲に勉強してしまいがち。
これが空回りが発生する根本的な構造です。
ぜひ今日紹介したトレーニング法を活用して、空回り解消に役立ててみてください。
おまけ
自己観察スキルを身につける方法は、こちらの記事も参考になると思います!