こんにちは、おうちSTUDYの久松隆一です。
気づけば4年も経っていました。
どうすれば点数が取れるようになるのか?
それにどのくらいかかるのか?
どういう条件を満たせば80点を超えられるのか?
こうした問いと日々向き合い、新しい知識を取り入れ、検証し、修正し、また試す。こんなループを4年も毎日続けてくると、さすがにもう「見えたな」という手応えがあります。
今なかなか点数が取れない子が高得点を叩き出すために、
- こんな条件をクリアしている必要があって、
- その条件をクリアできずにつまずくのはこういうところで、
- その課題をクリアするための知識と技術はこれで、
- その知識と技術を身につける最適な方法はこれで、
といった具合に、あらゆることを(ほぼ)説明できるようになったように感じています。
4年前、塾の限界を感じ、その限界を埋めるためにスタートしたオンラインレッスンですが、その時と比べてみても明らかに進化しているな、と感じています。
もちろん、今後も自分の経験量とともに、アップデートされていくことになりますが、今はこのフレームで一旦完成したといえそうです。
この4年間の研究成果はまたの機会にシェアできればと思いますが、4年前と変わらないのは、
「やっぱり最初に取りかかるべきは、勉強技術を身につけることだな」
という確信です。
最近、この話を気に入ってあちこちでしているのですが、
勉強において成果が出る、つまり高得点を取れるようになるまでのメカニズムはビンゴと同じです。
いくらビンゴカードに4つ穴が空いてリーチしても、最後の1つが揃わなければ、ビンゴにはなりません。
勉強で成果を出すのもこれと同じで、その問題を正解するために必要な知識がすべて揃わなければ得点できません。
ということは、成果が出るまでに必ずタイムラグがあるということなんですね。リーチしてからビンゴまでタイムラグがあるように。
この得点メカニズムを理解すると、やるべきことが明確になります。
ビンゴカードに穴をひとつずつ空け続けていくこと
です。これ以外に確実に点数を伸ばす方法を知りません。
今、お子さんは、
勉強した分だけ、自分の頭に知識を仕入れることができていますか?
もしNoなら根本的な伸び悩みの原因はここにあります。
勉強した分だけ、知識を頭に入れる技術をまずは身につけなければ何も始まりません。
いくらご褒美を与えても、いくら塾に入れても、いくら効果的な教材を買い与えても、ビンゴカードに穴が空けられていないならすべてムダです。
いやぁ、厳しいですね。でも真実です。
勉強の仕方が悪い子に足りない5つの力
というわけで、まずは「やった分だけ伸びる勉強技術」を身につけるべきだという結論に至ります。
では、
勉強技術が身についてないとはいったいどんな状態なのでしょうか?
技術力不足とは、どんな力が足りていないのでしょうか?
これを知っていれば、勉強の仕方のどこが悪いのかもハッキリしますし、修正することもできます。
単に「勉強の仕方が悪い」と表現するのではなく、各パーツに分解してどこが悪いのか、突き止めてみましょう。
というわけで、5つのパーツに分解して解説したいと思います。
- 「できない」を見つける力(課題発見力)
- 「できない」を管理する力(課題管理力)
- 「できない」を「できる」に変える力(課題克服力)
- 「できる」を検査する力(品質検査力)
- 「できる」を監視する力(経過監視力)
「できない」を見つける力(課題発見力)
ひとつめは、自分の「できない」ところを身につける力です。これを課題発見力と呼ぶことにします。
勉強とは、自分が「できない」ところを「できる」ようにするのが勉強です。
教科書を読んだり、問題集を解いたり、ノートをまとめたりしても、その結果として「自分ひとりで正解できる状態」に変わっていなければ、勉強したとは言えません。
「できる」への変化こそが勉強です。
その変化を生み出す最初のステップは、
「できない」ところを正確に見つける
です。
変化させるべき対象をまず見つけなければ、変化を起こしようがないからです。
しかし、この課題発見力に乏しい人は、
どこが分からないか分からない
という状態に陥ってしまい、その結果として、
- 解説や答えを見ながら問題集を解く
- 事前に教科書を読んでから問題集を解く
- ひとまず教科書をノートにまとめてみる(芸術作品のように!)
といった間違った行動を取ってしまいがちです。
いずれも一見すると勉強している様子に見えますが、自分が取り組むべき課題を発見できていないので、なんとなくやった気になった満足感だけが残り、成果に乏しい傾向があります。
「できない」を管理する力(課題管理力)
つづいては、自分の「できない」ところを管理する力です。4つのうちでもっとも簡単に身につく力です。
「できない」ところを見つけることに成功したら、そこをメモを取るなどして管理するだけです。
この課題管理力が足りない人は、
どこが分からないか忘れてしまった…
という状態に陥ってしまいます。
- ×を問題集に記録する習慣がない
- いろんな問題集に少しずつ手を付ける
- あらゆるプリントに手を出して終わったら捨てる
- プリントをファイルに綴じて管理しない
- 「後で聞けばいいや」と思っても記録しない
といった傾向がある人は、これに当てはまります。いずれも、せっっかく見つけた「できない」ところを記録として残さないため、自分の課題が右から左に流れては消えてしまっています。
これもまた勉強した満足感だけが残るので、成果を見てそのギャップに自信を失ってしまう傾向があります。
「できない」を「できる」に変える力(課題克服力)
3つ目は、自分の「できない」を「できる」ようにする力です。
自分のできないところを見つけたら、「できる」に変えないと勉強したことにはなりません。
そのために、
覚えていないことを覚えたり、
分かっていないことを分かるようにしたり、
するわけです。
一般的な言葉で言えば、暗記力・理解力と言えます。
この課題克服力が足りない人は、
- いくらやっても覚えられない
- 授業を聞いても分からない
- 教えてもらうとできるけど、一人でやるとできない
- 分かったつもりになっている
- 覚えたつもりになっている
という状態に陥ってしまいます。
- 教科書をひたすら見て暗記している
- 繰り返さない
- 丸暗記で乗り切ろうとする
- 分からないところを人に聞かない
- なぜその答えになるのか突き止めない
- 解き方を人に聞くだけで自分で解かない
といった傾向がある人は、これに当てはまります。
「できる」を検査する力(品質検査力)
4つ目は、本当に「できる」ようになっているか、自分で確かめる力です。
自分ではできるようになったと思っていても、実際に蓋を開けたらできなかった…
というのは、この品質検査力が足りていないからです。
テレビをつくる工場で、もし適当に検査していたらどうなるでしょうか?
不良品ばかり生産されてしまいます。
だからメーカーはその品質をチェックしますよね。
勉強でも同じように、自分の「できる」の品質をしっかりチェックしなければなりません。
「できるの基準」を満たしていないのに、OKを出してはいけないんですね。
品質検査力が弱い人は、
甘々の基準で自分にOKを出してしまう
ことが常態化しています。
- 分かったつもりになっている自分に気づけない
- 覚えたつもりにになっている自分に気づけない
こうして不良品の知識を抱えたまま、テスト当日を迎えてしまうことで「思っていたほど点数が取れなかった…」という感想を毎回のように繰り返してしまいます。
「できる」を監視する力(経過監視力)
最後は「できる」に目を光らせて、時間とともに劣化していないかを監視する力です。
言わずもがな、人間の記憶は時間とともに劣化していきます。
一旦「できる」ようにしても、気づけば「できない」に元通りなんてことはしょっちゅうあります。
むしろ、それが当たり前。
だからこそ、しっかり日々「できる」の品質が劣化していないか、監視していかなければなりません。
勉強の仕方が上手な人は、「記憶は劣化するもの」として、この監視の目を緩めません。
もし品質が落ちてきたことに気づいたら、すぐにメンテナンスをして品質を維持します。
一方、勉強の仕方がヘタな人は、一旦「できる」ようにして、それで安心してしまいます。
経過監視力に乏しい人は、
- 勉強したことをすぐに忘れてしまうと感じて居る
- 勉強中はできていたのに、テストでなぜか思い出せなかった
- 解いている途中で「次に何をすればいいのか」忘れてしまった
- テストが終わったら「あぁそうだった!分かってたのに!」とよく口にする
といった傾向があります。
これは、経過を監視せず、不良品が出ていることに気づかないままテスト当日を迎えてしまっているからです。
このケースに当てはまる人も、やはり「思っていたほど点数が取れなかった…」と悩んでいて、「わたしは頭が悪いから」と能力に原因を見いだして嘆いています。
違います!
頭が悪いのではなくて、勉強技術が未熟なのです。
おわりに
おもしろいことに、勉強技術が上がってくると、たいてい自分の予想点数と結果が一致してきます。それは「どうすれば点数が取れる状態なのか」を正確に理解し、自分は今どういう状態なのかもまた正確に判断できているからです。
自分の予想点数と実際の結果にズレが大きいあいだは、勉強技術が不足していると言えます。
ここで挙げた5つの力を磨きましょう。
やった分だけ伸びるようになります。
つまり、やった分だけビンゴカードに穴が空くことになります。
あとは、それをコツコツ続けて一列バッチリ揃ってビンゴする瞬間を楽しみに待ちましょう。