スマホで学力低下?それでも中学生にスマホを持たせるべき理由

こんにちは、中学生専門・伸び悩み解消学習コーチの久松隆一です。

普段子どもと接する機会が多いので、スマホについてはあれこれと思い悩んでました。

保護者の方も同じように考えていらしゃって、

  • スマホを中学生のうちから持たせるべきか?
  • スマホを持たせたらそれに夢中で勉強どころではなくなってしまいそう・・。
  • スマホを持たせると学力が下がるって聞いたけど・・・

だいたいこんなところで悩んだり不安を感じたりしているようでした。

そこで、今回は中学生とスマホとどう向き合うべきか?について、

  • これまで私がたくさんの中学生withスマホを見てきた経験
  • 今後も情報化がさらに進むであろう社会の変化

を踏まえて整理しておきたいと思います。

最初にわたしの結論を言うと「スマホはアリ」です。

スマホは使い方次第なので、その辺りも含めてお話しします。

 

スマホは勉強のジャマ??

 

はい、ジャマです!!!

スマホは調べものをするのにとても便利ですが、学校の勉強をするにあたってはそこまで必要ありません。

中学で習う勉強内容については、すでに学習教材が充実しておりそれを使えば十分。

どちらかといえば、ゲームやLINEに気を取られて勉強に集中できなかったりするなどの弊害の方が大きいです。

スマホは学力低下につながるというデータもあります。

東北大学の研究によれば、1日に1時間以上スマホを使う中学生は数学の平均点が下がることが分かったそうです。

出典:学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/awardimg/award20150319_01.pdf

スマホが本当に原因なのかはもう少し長期的にデータを追いかけてみないと何とも言えないと思いますが、データうんぬん以前にスマホに気を取られて勉強に集中できないのは容易に想像できますよね。

 

ルールを決めて防ぐ

こうしたスマホの弊害については、東北大学の研究でも言われていますが「ルールを決める」ことが大切です。

よく本人と話し合って、「勉強中はスマホを親が預かる」など物理的に使用できない環境をつくってあげてください。買い与えた時にルール化するのが一番です。

余談ですが、話合ってルール化する習慣はめっちゃ大事です。
(※無理やりは絶対ダメ!)

ルールをつくったりうまく回る仕組みをつくったりするときには、よく考えなければなりません。思考力も養われます。

中学生の頃から「ルール化・仕組み化」という思考回路を養ってあげることは、勉強ができるということ以上に子どもの将来に役立つのではないかと思っています。

 

中学生のうちからスマホを持たせるべきか?

スマホを持たせることでいろんなメリット・デメリットがあると思いますが、よく言われているものはどれも目の前のことしか考えていないような気がしてしまいます。

それよりも10年先の未来を見据えながら考えてみませんか?

スマホは単なる道具でしかありません。

包丁に良いも悪いもないじゃないですか、使い方次第。
料理のときに使うのはOK、ケンカのときに使うのは超NG!!!

場面によって変わるわけで、スマホ自体に良い悪いはありません。

ただ、その道具を持つことのメリットは、それを使う経験が積めることです。

マイ包丁を持ったら料理したくなりますし、自然と料理をする機会が増える。結果的に包丁を使うスキルが身につきますよね。

スマホにしても、これをどう受け止めるかがポイントです。

 

10年後に必要な能力とは?

スマホが普及して5年ちょっとになりますが、本当に調べものが手軽にできるようになりましたよね。インターネットの世界にはあらゆる情報が載っており、調べたら大抵のことは何でも出てきます。

ネットが一般に普及するまでは、知識をたくさん持っていることが「よくできる人」の条件でした。ただ、今の時代は調べたら何でも出てきます。知識をたくさんもっているというメリットが失われつつあるのです。

それよりも、調べた知識を使って新しい何かを創りだす力が求められていますし、今後もっとそれが加速していきます。

知識を頭に入れること < 調べた知識をどう使うか頭で考えること

こんなふうになりつつあるのです。

 

10年後に読み書きそろばんのように必要なスキルは?

そうなると、知識を調べるというスキルが10〜20年後には当たり前のスキルになっているのではないかと想像します。

読み書きそろばん、と同じように読み書き検索、になってるかもしれない。もしかするとその頃には文字で検索せずに人口知能に聞けばイイ、って社会になってるかも。

いずれにしても、「調べた知識を使って新しいものを生みだす」ためには、まずネットから知識仕入れるというステップがあります。

しかし、ぼくの経験上、中学生は全然自分で調べません。

人に聞く、ということが習慣として身についています。これは小さい頃からの思考習慣が大きいかもしれません。これまでは「これはこうするものだよ」と、誰かが答えを教えてくれてた。

子どもの頃はそれで良かったんですが、10年後には社会にでてバリバリやっているわけです。
どこかで「自分で調べて、自分の頭で考える」という段階に連れていってあげたいですよね。

 

勝負は思春期の今だ!!!

中学生っていわゆる思春期ですよね。これは答えに対して「本当にそうなのか?」と自分の頭で考える力がついてきたから思春期に突入するのです。

ここです、勝負は!!!

この時期に「自分で調べて、自分の頭で考える」という段階に連れて行ってあげましょう。

そのための第一歩として、まず調べる習慣を手に入れてもらうこと。

この時期に「あ、調べたらわたしの知りたいことは何でも出てくるんだ!」という感覚を持ってもらう。あとはもう勝手に調べる習慣が身についていきます。

もし、何かを聞かれたとしても、答えをグッと我慢して調べさせる。
これが大事。

このとき、親の代わりに登場するのがスマホです。
スマホで手軽に調べさせるのです。

中学生は調べることを全然しないので、調べることに対するハードルを下げきってあげたいんですね。それを可能にするのがスマホだと思います。

「手軽さ」が調べる習慣につながる。
ここがスマホを持たせるか持たせないかのポイントだと私は考えています。

もちろんパソコンでも調べられるけど、手軽さという面ではスマホに軍配が上がる。これをどう取るか。わたしは手軽さの観点からスマホ推しですが、そのハードルをお子さんが越えていけそうなら全然パソコンでも構わないとも思います。

いずれにしても、10年後を見据えると「自分で調べる習慣」を今のうちに身につけておくことが大切です。

できるだけ早い段階で調べるスキルを身につけると、今後の知識の広がり方も変わっていきます。スマホを単なる勉強のジャマをする悪者ではなく、情報の海を泳ぐための便利な道具として捉えてみてはいかがでしょうか。