なぜ勉強しないのか?子どもの勉強のやる気が出ない理由を理解してから対策を考えよう

こんにちは、中学生専門・伸び悩み解消学習コーチの久松隆一です。

以前、勉強のやる気を引き出すには外部の環境を整えてあげることが大切だよ、って記事を書きました。今回もまた中学生の勉強のやる気を引き出すってテーマなのですが、今回はお子さんの内面に注目したアプローチについてお伝えします。

内面です、内面。

「ほんとうちの子何考えてるか分からない」って思うことありませんか?

で、何考えてるか分からないと、めちゃめちゃ腹が立ったり、ときどきお母さんの方が深刻に悩んでしまうことってあると思うんですよね。そんな状態でアドバイスをしてうまくいかない。最終的にケンカになってしまったり、もしくは子どもが黙ってしまったりとか・・。

じゃあどうするべきか?って言うと、「勉強をなぜやろうとも思わないのか」って理由を理解した上で、「じゃあどうしようか」って対策を考えた方が良いってことです。

というわけで、今回は中学生の勉強のやる気が出ない内面的な理由と対策についてお伝えしたいと思います。

 

やる気アップ対策のための4つのチェックポイント

早速ですが、次の4つのポイントをチェックしてみてください。

  1. 勉強することで得られるものを本当に本人が望んでいるか?
  2. 勉強が本人の本当にやりたいことにつながっていると本人が感じているか?
  3. 自分が努力すればそれをできると思っているか?
  4. 勉強するのに何が求められ、どんなステップを踏めば点数が上がるか見えているか?

 

一つずつ見ていきましょう。

久松

本格的にお伝えしたかったのでややこしい日本語になってますが、難しい言葉は使ってません。我慢して読んでみてください。きっとヒントが得られるはずです!

 

1.勉強することで得られるものを本当に本人が望んでいるか?

結論から言ってしまえば、本人が勉強によって得られるものを心の底から望んでいなければやる気は出ません

キャンプに行ってカレーを作ることになったとします。でも、もしあなたのお子さんがカレーを好きではなかったとしたら、キャンプに行ってカレーを作るのにテンションが上がるでしょうか?

あなたがいくら「カレーはおいしいから食べてよ」と言っても、お子さんがカレーをおいしいと思っていなければ、食べる気にも作る気にもなりませんよね。

勉強もこれと同じです。勉強によって得られるもの、例えば高校への合格ってありますよね。これが本人にとって本当に価値あるものと感じられていなければ勉強のやる気は出ません。

 

一方、この記事に辿り着いたあなたはお子さんにとって勉強することは意味があることだと感じているはずです。例えば、高校への合格も何らかの意味があることだ、価値のあることだ、と感じているはずです。

ただ、それはあなたの価値観であってお子さんが同じ考えであるとは限りませんよね。

一度立ち止まって考えてみませんか?あなた自身は勉強することで何が得られると思っているのか?それにはどんな意味があるのか?一度振り返ってみてはいかがでしょうか。きっと親子のギャップがあることに気づくはずです。

当たり前ですよね、一般的に大人の方が多くの経験をしている分、視野が広い。見えている世界が広いはずなんです。でもまだお子さんは中学生ですから、物心ついてから10年ちょっとしかありません。勉強することによって得られるものの価値が、あなたと同じ理解度であるとは考えにくい。

そもそも人の価値観なんて親子や兄弟で違っていて普通ですから、それ自体は何も問題にはなりません。

  • 勉強によって得られるものを、この子はどんなふうに感じているんだろう?
  • 勉強によって得られるものを、私自身はどんなふうに感じているんだろう?

このギャップを慎重に見極めてみましょう。そして子どもの価値観を受け入れてあげてください。それを応援してあげてください。それだけうまくいきます。シンプルでしょ?

反抗期の中学生と接する時は、基本的に子どもの価値観を尊重して、子どもの可能性を心から信じて、子どもの価値観を応援するというスタンスでいれば、うまくいきます。「どうやったらそんなに子どもとうまくやれるんですか?」って聞かれることがありますが、それはぼくが永遠の中二病だから、このスタンスで臨んでいるからだと思います。

だって自分のことを認めて、信じてくれて、応援してくれる人に反発する人なんていませんもん。

その第一歩目として、まずはお子さんの価値観をチェックしてみてください。勉強によって得られるものを本当に本人が望んでいるかどうか見極めてください。

もしお子さんが勉強によって得られるものを本当に望んでいなければ、本当に心の底から望めるものを設定してあげてください。いきなり本決めする必要ないです、仮でもいい。仮であっても「勉強することで得られるものは、わたしにとって意味があることなんだ!勉強はやるに値するんだ!」と感じられたら、勉強へのやる気は出てきます。

 

2.勉強が本人の本当にやりたいことにつながっていると本人が感じているか?

あー、ややこしや。

後で出すシチューの例を見たら理解できると思いますので、先へ進めます。

そもそも勉強って目的ではありませんよね。手段です。勉強の先に目的があります。てことは、「自分にとって大切な目的を達成するために、勉強は役に立つことなんだな」ってお子さん自身が思っていなければ勉強のやる気は出ません。

例えば、あなたのお子さんがプロのテニス選手になりたいと思っていたとします。いくら勉強しなさいと言ったところで、もしお子さんが勉強とテニスは全然別物だと思っていたら、勉強する気にはならないはずです。それは、プロのテニスプレーヤーになるという目的を達成するために、勉強するという手段が役立つと思っていないからです。

例えばキャンプに行って、あなたのお子さんが大好きなシチューを作ることになったとします。いざ作ろうと思ってクーラーボックスを開けたら、

「え!?ニンジンと玉ねぎとジャガイモが入ってない!!」
「なぜかきゅうりしか入ってない!!!!」

実際こんなことは起こらないと思いますが、もしもこんな状況になったとしたら、きっとあなたのお子さんのテンションは急降下するはずです。それはきゅうりが美味しいシチューを作るために役立つと思っていないからです。

つまり、勉強を手段として捉えてみてくださいってことです。もちろん勉強することそのものが楽しいって場合もありますが、一旦ここではそれを横に置いておいてチェックしてみてください。

勉強が「自分の本当にやりたいこと」に役立つとお子さん自身が感じているかどうか。もっと正確に言うと、あなたのお子さんが本当に得たいものを得るために、「勉強という手段が有効だ!」ってご本人が感じているかどうか。

あまりその有効性を感じていないようであれば、本人が本当に得たいものと勉強をつなげてあげてください。「勉強によってあなたの得たい未来は得られるのよ」って。これを理解し、納得できれば「勉強は自分にとって意味のあること」へと変わります。やる気も出ます。

 

三人のレンガ職人の話を聞いたことはありますか?

旅人がある町外れの一本道を歩いていると、建築現場で汗を流して働いている職人がいた。

何をしているのかを尋ねると、

一人目の職人は、「見ての通り。レンガを積んでいるのさ。」とため息混じりに答えた。
二人目の職人は、「教会の壁を作っているのさ。」と答えた。
三人目の職人は「町の人を幸せにするための教会を作っているのさ。」と目を輝かせながら答えた。

このストーリーは「自分が今やっていることに、意味を感じているかどうか」という点がやる気に大きく左右することを教えてくれます。あなたのお子さんはどうでしょうか?

 

3.自分が努力すれば、それをできると思っているか?

最近は自己肯定感という言葉がかなり一般的になってきましたが、もう一つそれと似た言葉に「自己効力感」という言葉があります。

人が何らかの課題に直面した際、こうすればうまくいくはずだという期待(結果期待)に対して、自分はそれが実行できるという期待(効力期待)や自信のことを自己効力感という。
引用元:コトバンク

簡単に言えば、「やればできる」という感覚です。この「自己効力感」という概念はバンデューラという心理学者が唱えた概念なのですが、彼いわく「自己効力感」を高める方法は4つあるそうです。

  1. 成功体験
  2. 代理的経験
  3. 言葉による説得
  4. 情緒的な喚起

ここではあまり詳しく説明しませんが、この4つの中でも成功体験がもっとも自己効力感を高めてくれると彼は言っています。

ちょっと保護者の方には耳が痛い話かもしれませんが、お子さんの幸せのためにハッキリ言いますね。この自己効力感をないがしろにしている保護者の方が多いと感じます。

テストの点数アップや志望校合格といった「成果」を得るためには、勉強という「行動」をしなければなりません。でもその行動の手前には「やる気」があって、その手前には「自己効力感」があって、その手前には「成功体験」があるのです。

 

順番としては、

成功体験を作る

自己効力感を高める

やる気が出る(その気になる)

勉強する

成果が出る

こんな流れになります。

 

皮肉なことに、成果だけを見ていても成果にはつながりません。重要なのは、成果の手前にある過程です。全く勉強のやる気がない子に対しては、いきなり5科目の点数アップを期待して長時間勉強させるよりも、まずは1科目でもいいから成功体験を作ってあげるべきなのです。

もっと言うと、日々の小テストであったりを通じて、昨日よりも今日の自分は一歩成長しているって実感をさせてあげることが大事です。日々、成長している事実をしっかりとお子さんに伝えてあげてください。小さなことでもいいので勉強を通じて成功体験をたくさん積ませてあげる。この積み重ねによって「あぁ、自分は頑張ればもっと成長できるし、自分の未来を変えていくことができるんだ」って思えるようになります。それってすごいワクワクしませんか?

こうした「成功体験」によって「自己効力感」が高まっていきます。最初はいかに成功体験を数多く作るかです。そこに全力を注いでみてください。

 

4.勉強するのに何が求められ、どんなステップを踏めば点数が上がるか見えているか

これについては、僕自身これまで何度もお伝えしてきているので、このブログをよく読んでくださっている方は「はいはい、またかね、久松くん( `・ω・´)ノ」ってなると思うのですが、本当に大事なことなので改めて伝えます。

中学生のお子さんは「しっかり勉強しなさい」とか「ちゃんと勉強しなさい」とか言われても、何をしたらいいのかわからずに立ち止まってしまいます。だって小学校で勉強の仕方とか習ってないのに、いきなり中学校に上がったら年間5回の定期テストにさらされるんですよ?良くも悪くも効率的な勉強方法は「自分でもがいて身につけろ」ってスタンスなんですよね。

だから「しっかり」とか「ちゃんと」とか曖昧な言葉ではどうしたらいいか分からないんです。だからこそ、勉強するってことは何が求められていて、どんなステップで進めていけば点数が伸びるのか、ってことを知識としてインプットしておく必要があります。

最低でも、

  • 何を
  • いつまでに
  • どのように
  • どんなことに気をつけて
  • どのくらいの量をやる必要があるのか
  • 最終的にどんな状態になっていたら点数が取れる状態だと言えるのか

これぐらいの基準は知っておく必要があります。具体的に「これをしたらいいんだ!」って過程が見えると、行動へのハードルが下がります。つまり、やる気が出るということです。

これまでの数多くの研究からも、行動の手順を具体化すればやる気アップにつながるということが分かっています。有名なところで言うとロックとレイサムが提唱した「目標設定理論」があります。

ある木材の運送業者の積み荷状況を調査したところ、積載量の60%しか積んでいないことが分かりました。そこで、「積載量の上限を94%にしなさい」と具体的に数字を示してみたところ、9ヶ月後は90%まで積まれるようになったそうです。

つまり、「具体的であること」は行動につながりやすい、ということです。

お子さん自身が「勉強するとはこういうことを求められていて、こうやって勉強すれば点数が上がるんだ」という具体的なステップを知っていれば、それだけでやる気は上がるということです。

 

まとめ

これまでに上げた4つのポイントをもう一度おさらいしてみましょう。

  1. 勉強することで得られるものを本当に本人が望んでいるか?
  2. 勉強が本人の本当にやりたいことにつながっていると本人が感じているか?
  3. 自分が努力すればそれをできると思っているか?
  4. 勉強するのに何が求められ、どんなステップを踏めば点数が上がるか見えているか?

です。

やる気をアップさせるには色んなアプローチがありますが、やみくもに対策をするよりも、まず先にお子さんの内面をよく理解した上でやる気アップの対策を立てた方が効果的です。上で紹介したチェックポイントを活用して、お子さんの内面理解を深めてみてください。