こんにちは、おうちSTUDYの久松隆一です。
このブログを立ち上げてもう4年になりますが、一貫して発信してきたことがあります。
それは「勉強の仕方を良くしましょう」ということ。
やり方がマズイと努力しても成長しないからですね。
でも、
と思いませんか?
といったゴール地点が見えていなければ、そこに向かう過程も具体的に見えてきませんよね。
というわけで、今日は「勉強の仕方を良くする」とはどういうことか?について、3つの段階に分けてまとめてみたいと思います。
特に3つ目は見落とされがちですので、そこだけでも読んでみてください。
勉強の仕方が良くなれば、どうなるの?
はじめに「勉強の仕方を良くする」ことができたら、一体どうなれるのか?について簡単にまとめておきます。
大きく3つのメリットがありまして、これらは連鎖してクルクル回り続けます。一旦この連鎖反応を起こすことができたら、勝手にやる気のサイクルが回っていくようになるんですね。
ひとつずつ見て見ましょう。
メリット1:勉強した分だけ成長できる
良い勉強の仕方とは、自分が勉強した分だけ成長できるということです。
わざわざ言うまでもないかもしれませんね。勉強の仕方が良くなれば、やった分だけ成長できるようになります。
メリット2:「やれば伸びる人」というセルフイメージがつく
その成長に気づくと「自分は勉強した分だけ成長できるんだ」という経験をひとつ積むことになります。こうした経験を積み重ねていくことでセルフイメージが書き換わります。
「やってもムダ」という間違った思い込みは、「勉強しても成長しなかった」という体験の積み重ねによって引き起こされたように、その逆も又しかりというわけです。
このポジティブなセルフイメージは、中学校の成績や高校の進路なんかよりよっぽど大事なことだと僕は思っています。
メリット3:勉強のやる気が続きやすくなる
やってもムダと思っていたら、やる気など続くはずがありません。やった分だけ自分は成長していることに気づけば、次の行動につながる勇気が湧いてきます。
子どもたちがあれだけゲームにハマるのは、自分の成長を実感しやすい設計がゲームに搭載されているからです。
連続でタップするだけでレベルが上がったり、アイテムが手に入ったり。たいした労力をかけずに成長を実感できるから、楽しくてやる気が続くんですね。
一方で、勉強では相当な労力をかけても自分の成長が見えない。やる気が続く要素がありませんよね。
行動を継続させたいなら、行動する勇気が絶え間なく湧き続ける泉が必要です。
その泉は「やれば伸びる人」というセルフイメージであり、「やったら伸びた」という成長実感にあります。
勉強の仕方を良くするとはどういうことか?
では、本題にはいりましょう。
勉強の仕方を良くするとは、大きく3つの段階があります。
後で説明しますが、一般的には2つ目の段階までは認知されていますが、3つ目の段階についてはほとんどの人が見逃しています。塾の先生でさえ、ほとんど気づいてないはず。
知識を手に入れる段階
1つめの段階は「正しい知識を手に入れる」ということ。
脳科学の進歩とIT技術の進歩によって、今は簡単に科学的に効果が実証された「効率的な勉強法」に関する知識が手に入るようになりました。ひと昔前までは根性論が幅をきかせていたのがウソのようです。
この前の東京2020オリンピックでも日本が獲得したメダル数が過去最高だったみたいですが、これはスポーツの世界でも根性論が退場し、科学的根拠のある方法で育成が行われたからではないかと思っています。
こうした現代では、勉強法においても、
- 簡単に覚えられる暗記法
- テスト勉強計画の立て方
- ノートの取り方
- 問題集の効率的な使い方
など、挙げればキリがありませんが、これらはネットで調べても簡単に手に入ります。
僕自身も「テスト勉強法」について網羅した動画講座を出していますが、第1段階はわりと誰でもその気さえあればクリアできます。
技術を身につける段階
2つ目の段階は「技術を身につける」段階です。
知識として持っているだけでは意味がないので、それを実際に正しく使えるようになりましょう、というのがこの段階。
例えば、暗記のポイントの一つに「印象に残す」というものがありまして、「日常ではありえないインパクトのある想像」に「ビジュアル化」をかけあわせると記憶に残りやすくなります。
詳しくはこちらの記事で解説しているのでここでは深入りしませんが、この知識は知っていても簡単に使えるようにはなりません。練習が必要なんですね。
正しく知識を使えているかどうかをチェックしてもらいながら、修正を重ねて反復練習を積み重ねる。こうして単なる知識ではなく、技術として身につけることができます。
この段階をクリアするには、正しいかどうかをチェックし、フィードバックしてくれる先生の存在が必要となります。ここをクリアできる人の数は一気に減ります。
ここで自分のレッスンのことを言うのはいやらしいですが、僕の1:1学習コーチングでは約2カ月を目安にここまで一気にクリアしてもらっています。
ただ、見方を変えれば、2カ月もあれば身につくほど簡単だと言えます。
真の課題はこの次の段階にあるんですね。
自分を知る段階
3つ目の段階では「自分を知る」という課題をクリアしなければなりません。
あなたは自分のことが理解できていますか?
自分が下した判断を間違えることはほとんどありませんか?
おそらくNoですよね。自分を知るという課題はとても難しいのです。
しかし、勉強の仕方を良くするには、この課題に取り組まなければなりません。
実は、勉強の仕方が良くない人は、
- 自分が分かっていないことが分かっていない(のに、自分では分かったつもりになっている)
- 自分ではもうできると思っている(のに、実際やってみたらできないことに気づいていない)
- バッチリ暗記したと思っている(けど、実際はすぐに忘れる程度の記憶しか作れていないことに気づいていない)
- 覚えれば良い問題だと判断して暗記した(けど、実際は丸暗記しただけでは解けない問題であることに気づいていない)
といった具合に、あらゆる場面で判断をミスっています。
だからやっても成長しない。勉強したのにできない。
こうした判断ミスは「自分を知らない」ことに由来しているわけです。
だから難しい。
第3段階はもっとも難しいのです。
人間は誰しもそうですが、自分のことを客観的に捉え、正確に評価することが苦手です。いわゆる認知バイアスによって、自己を過大評価してしまうからです。
心当たりがありませんか?
この状態を、
うちの子は「やる気が無い」とか「きちんと勉強してない」と評価しているうちは、解決に至りません。
本質はそこにないからです。
本質的な解決策は「自分を知る」力を養うこと。
自分ことを客観的に見つめながら、自分の出来具合を懐疑的に捉え、自分の安易な未来予測に対して疑いの目を向けて、慎重な姿勢で自己評価を行う。
こうした慎重な姿勢によって自分を評価できるようになって初めて「自分を知る」ことができるのです。これができるようになった状態が、本当の意味において「勉強の仕方が良くなった」という状態です。
まとめ
「勉強法を学ぶ」と聞くと、多くの人は「効率的な勉強法を身につける」というイメージをもちます。
実際にぼくも「正しいやり方を身につけましょう」と発信しています。
でもね。
本当はもうひとつ奥がある。
自分を知るという段階です。
もしお子さんが、勉強法の本を読んでもうまくいかなかったり、勉強法を教えてもらう講座を受けてもうまくいかなかったりするなら「自分を知る」という段階をクリアしていない可能性が高いです。
これは認知バイアスとの戦いなので、1~2ヶ月程度で簡単に乗り越えられるものではありませんが、じっくりとこの課題と向き合って乗り越えていくトレーニングを続けていく必要があります。
成果を焦らずじっくり取り組んでいきましょう。
どうやってトレーニングするのか、についてはこちらの記事が参考になると思います。