こんにちは、中学生専門・伸び悩み解消学習コーチの久松隆一です。
久松
保護者の方と話をしていると、
お母さん
こんな声をよく聞きます。
実際に中学校に上がってから数学につまずく子が増えるのは事実です。
しかし、経験上、小学校の算数がある程度できていたのならすぐに追いつくことができます。
今回は中学数学でつまずいてしまった場合につまずきを取り戻すための勉強法についてお伝えします。
中学数学でつまずいたときはここをチェック!
中学数学でつまずいた場合にチェックしてほしいポイントが2つあります。
- 前学年同学期の内容はできるか?
- 計算単元はおろそかになっていないか?
それぞれ見ていきましょう。
チェックポイント1:前学年同学期の内容は身についているか?
中学数学で習う内容は、大きく3つの単元に分けることができます。
- 計算
- 関数
- 図形
です。
大まかに分けると、計算は1学期、関数は2学期、図形は3学期に習います。
これは中1〜中3までずっと同じです。
ただし、学年が上がるにつれて少しずつ内容がステップアップします。
例えば、計算であれば、
1年生:方程式
2年生:連立方程式
3年生:二次方程式
関数であれば、
1年生:比例の式(y=ax)
2年生:一次関数(y=ax+b)
3年生:二次関数(y=ax²)
図形であれば、
2年生:合同
3年生:相似
といった感じ。
全部が全部というわけではありませんが、前学年の“同じ学期”の内容を踏まえて、今学年の内容を学習するようなカリキュラムになっています。
仮に今あなたのお子さんが中2だったとします。
中2で習う一次関数(y=ax+b)でつまずいているとすれば、それは中1の比例(y=ax)に原因があるかもしれません。
つまずきを解消するためには、前の学年まで戻ってください。
前学年同学期の内容にもどってチェックすると、真の原因が見つかるかもしれません。
チェックポイント2:計算力はしっかりしているか?
計算・関数・図形にはこんな関係があります。
計算がすべての土台になっていて、その上に関数と図形がのっかっている。
計算が確実にできないと、関数や図形の問題が解けなくなってしまいます。
例えば、2年生で習う一次関数の公式はy=ax+bですが、これは1年生で習う方程式の計算ができなければ使うことができません。
図形にしても同じで、例えば立方体の公式は、方程式を使って解きます。
つまり、計算力がしっかりしていないと、せっかく関数や図形問題の解き方が分かっていもミスが出ます。
久松
料理に例えると、本当はおいしいケーキを作ることができる。それだけの腕はもっているんです。なのに、家には壊れたオーブンしかない。すると、何度正しい作り方でつくってもケーキが黒こげになってしまう・・・。これと同じイメージです。
せっかく関数・図形問題の解き方が分かっていても、計算力がしっかりしていないと得点につながりません。
なので、中学数学でつまずいている場合の2つ目のチェックポイントは、計算単元がしっかりできているかどうか、という点に注意してみてください。
基礎レベルのつまずきは暗記で解消できる!!
以上のチェックポイントでつまずいているところが発見できたら、次はそのつまずきを解消していきましょう。
つまずきを解消するためには「暗記」です。
「なに言ってんだよ!数学が暗記なわけねーだろ!」
と思われるかもしれませんが、数学は暗記です。
シンプルに説明すると、数学の基礎レベルの問題は、
- 「公式」「定義」「定理」を暗記する
- 「公式」「定義」「定理」を使った解き方の手順を暗記する
というステップで解けてしまいます。
ひとつずつ見ていきましょう。
久松
ステップ1:「公式」「定義」「定理」を暗記する
公式とは
「公式」ってのはよく耳にするので説明不要ですね。
y=ax+bとか、柱の体積=底面積×高さとかのアレです。
定義
「定義」ってのは言葉の意味。
例えば、正方形の定義は、
四つの辺の長さが等しく、内角が全部直角の図形。
です。
定理
「定理」ってのは性質。
例えば、正方形の定理は、
正方形の対角線は、長さが等しく、垂直に交わる。
こうして見ると、ぜんぶ暗記なんですよね。まずは「公式」を暗記するのが第一歩!
数学の勉強の第一ステップは、「公式」「定義」「定理」を覚えることです。
久松
ステップ2:「公式」「定義」「定理」を覚えたら、それを使う手順も暗記する!
「公式」「定義」「定理」を覚えたら数学を攻略するための材料が整いました。
材料が揃ったら、あとはそれを料理する手順を覚えましょう。
レシピみたいなものです。
例えば、タルタルソースを作る手順は、ピクルスとたまねぎを刻んでマヨネーズを混ぜるだけ。
これと同じで、数学でも基礎レベルの問題は、何をどんな手順で解いていけばいいのかを覚えるのはそんなに難しくありません。
材料が揃っていれば、手順は簡単なので意外とあっさり解くことができるようになります。
つまり、基礎レベルの問題はすべて暗記でなんとかなるということです!
応用問題が解けません・・。どうすればいいの?
基礎レベルは暗記!というのはお分かりいただけたかと思いますが、これが応用になってくるとそういうわけにもいきません。
応用問題はレゴブロックを想像してみてください。
もし「レゴブロックを使って、この写真のような飛行機を作りなさい」と言われたら、あなたはどうしますか?
まずはブロックが必要なので、集めますよね。
そこから、どうやって組み立てたら完成するのかを考えると思います。
つまり、シンプルにすると、
- 集めて
- 組み立てて
- 完成させる
という手順。
このうち、「手順2:組み立てる」のときに考える力、すなわち思考力が必須となります。
これを踏まえて、じゃあ応用問題を解くにはどうしたらいいか?
まずは基礎です。やっぱり基礎なんです。
久松
基礎がない=レゴブロックが揃わない、ということ。部品が全然揃っていないのに、どうやって組み立てるかを考えても答えは出ないですよね。
応用問題は基礎をたくさん組み合わせて解くので、まずは必要な基礎を揃えないといけない。
揃えてからどうやって組み合わせたらいいのかを考えるのです。
応用問題が難しく感じてしまうのは、この必要な部品(=基礎)を揃えないまま解こうとするからです。
久松
結果的に思考力が育たないし、残るのは苦手意識だけです。
でも、ある程度のレベルまで部品が揃ってくると、なんとなく完成のイメージが湧くんですね。
そこまでいけば、
「あとここは修正が必要だな」
「ここの部品が足りてないから調達してこないとな」
ってな具合に課題も自然と見えてくる。
これが思考力が育つということです。
応用問題を解けるようになるためには思考力が必須ですが、思考力を育てるにはまず基礎をしっかりと固めること!
基礎が固まれば自然に思考力が育ちます。
まずはその環境を整えてあげることが最優先なのです。
久松
まとめ
中学数学でつまずいている場合のチェックポイントと、それを解消するための勉強法についてお伝えしてきました。
基礎でつまずいている場合
- 「公式」「定義」「定理」を暗記する
- それらを使った解き方の手順を暗記する
応用でつまずいている場合
応用問題は基礎を使った考える力が必須!
考える力を育てるために、まずは基礎をしっかりと身につける!基礎がないと考える力も育たないんです。
理想を言えば応用力を付けてあげたい気持ちは分かります。
でも、理想を追いかけて現実が見えなくなってしまっては意味がありません。まずは、つまずいている基礎をしっかりと整える。
これが中学数学でのつまずきを解消するための一番の近道になります。
まずは基礎から固めてみましょう!
数学の点数が伸びる人と伸びない人の勉強法の違いをまとめましたので、こちらの記事も併せてお読みください!