こんにちは、おうちSTUDYの久松隆一です。
前回は「分かったつもり」を解消する方法について書きましたが、今回はその続き。
少しおさらいすると、分かったつもりを解消してもまだ安心してはいけないんですね。
「分かる」と「できる」は違うからです。
ここを勘違いしてしまうと、なかなか点数につながりません。でも正直、ここの区別がついていない中学生はめちゃくちゃ多い。せっかく頑張ったことを無駄にしないためにも、もうひとつカベを超えてください。
というわけで、今回は「分かる」を「できる」に変えるための方法について解説します。
「分かる」と「できる」の違い
前回の記事でも触れましたが、少しだけおさらいしておきましょう。
頑張った分だけ点数につなげるためには「できる」状態を作ることが大事なんでしたね。
できないをできるに変えるまでには2つのカベがあります。
前回は1つ目のカベでしたが、今回は2つ目のカベを攻略しましょう。
「できる」の基準を知っていますか?
まずは「できるってどんな状態なのか?」についてここでしっかりと定義しておきましょう。
これから紹介する3つの基準を超えた状態が「できる状態」だと思ってください。
この3つの基準を超えていなければ、「できるつもり」になっているだけで、思ったほど点数が伸びずに残念な思いをすることになります。
言い換えると、この3つの基準を満たすまでは、絶対に自分にOKを出さないでください。
頑張っても伸びない人は、勉強するときこのOKの基準を満たしていないのに自分にOKを出してしまうから「勉強したのに忘れちゃった…」となってしまいます。それは中途半端に勉強したつもりになってるだけで、勉強になってないんです。
フルーチェって知ってますよね?フルーチェの原液に牛乳を混ぜたらプリンみたいに固まるアレです。おいしいですよね。そのフルーチェを作るとき、牛乳を200ml入れないといけないんです。
でも100mlしか入れなかったらどうなりますか?当然ですが、しっかりフルーチェは固まりませんよね。
記憶もそれと同じなんです。基準を超えていないと、しっかりと記憶が固まらないんです。
なのでまずはこの「OKを出す基準」をしっかりと理解してください。そしてOKの基準を満たすまでしっかりやるんだ!という気持ちを持っておいてください。
自分にOKを出す3つの基準
- 正しい答えが出せる
- 自分ひとりで解ける
- スムーズに答えが出せる
この3つです。この3つをクリアして初めて「できる」状態だと判断してください。
1つ目の正しい答えが出せるのは言うまでもありませんね。ただ、時々、×になったのに「本当は分かってるからもういいや」という理由でもう一度解き直しをしない人がいます。これは基準が甘いです。正しい答えが出せていないんだから、それはもう一度やるべきです。
2つ目の「自分ひとりで解ける」については、何も見ずに、誰にも聞かずに解けるようになっているか?いうことです。時々問題集を解く前に、教科書や参考書の解説を読んでから問題集を解く人がいます。
これをやってしまうと、その時は一瞬だけ解き方を覚えているので、本当はできない問題ができるようになってしまいます。これでは、自分ひとりの力で解いたことにはなりません。人に聞くこと自体は悪いことではありません。
むしろ分からないことは積極的に聞くべきです。でも、分からないところを人に聞いたら、その後でもう一度自分ひとりの力で解かなければなりません。本当にひとりでできるのかどうか、チェックする必要があります。テストでは誰も手伝ってくれないので、自分ひとりで解けるようになってはじめて自分にOKを出してください。
3つ目は「スムーズに答えを出せたらOK」です。スムーズというのは少しあいまいな表現ですが、例えば、単語を暗記する場合、practiceの意味を答える問題があったら「練習する」という答えを1秒以内に答えられたらOKだと思ってください。いくらおそくても3秒以内です。「えーと、practiceは〜、、、練習する」これぐらいまでギリギリOKです。
反射的に答えられていないということは、まだ知識が固まっていない証拠。では、どうすればいいのか?というと…
確実に自分を「できる状態」にもっていくための3ステップ
いよいよ「できる状態」の作り方について解説します。次の3ステップを実行してみてください。
- ステップ1:テストのつもりで解く
- ステップ2:解きながらスムーズではないところをチェックする
- ステップ3:スムーズになるまで繰り返す
ステップ1:テストのつもりで解く
分かったつもりを解消し「もうこれは分かった!」と思ったら、最初に何をすべきでしょうか?
シンプルです。
問題集を解いてください。
この時、やはり何も見ずに解くことが大事ですね。自分ひとりで解かなければ意味がありません。テストのつもりで解けば、自分が本当に「できる」かどうかすぐに判断できます。
ステップ2:解きながらスムーズでないところをチェックする
問題を解きながらやってほしいことがあります。それは自分を客観的に観察することです。
勉強している自分の視点で考えるのではなく、勉強している自分を空から眺めているつもりで、よく自分を観察してください。そうして見たときに「あれ、ここはスムーズに解けていないんじゃ?」というところがきっと見つかります。
よく自分を観察してスムーズじゃないところを見つけてください。
ステップ3:スムーズになるまで繰り返す
どうもスムーズに解けないなぁというところがあれば、そこを重点的に繰り返してください。
僕はバスケが壊滅的に苦手なんです。レイアップシュートがうまくできません。特に、ドリブルからボールを持ってジャンプするあのタイミングが分かりません。めちゃくちゃぎこちないはずです、外から見ていたら。バスケ部の友だちは難なくそれをこなしますし、八村塁選手などは、何も考えずにスムーズにやっていますよね。
「できる」状態とは、難なくスムーズに解ける状態のことを言うのです。
問題を解きながら、ちょっとでも立ち止まってしまうようでは、それは「できる」とは言えません。何度も繰り返し練習して、スムーズになるようにしてください。
でも、まだ安心してはいけない…。なぜなら…
3ステップを無事にクリアできたとしても、まだ安心してはいけません。なぜなら人間はすぐに忘れるからです。一旦「できる状態」に持っていっても、テスト本番までにどんどん忘れていきます。
でも、自分では「できる」状態に仕上げた自信があるので、本番までノータッチ。そうして迎えた本番で…
(。•́︿•̀。)
というケースはかなり多いですね。
こうならないためにも、一旦できるの基準をクリアしても、油断しないでくださいね。「知識はどんどん忘れていくもの」と油断せず、記憶のメンテナンスをしていきましょう。
つまり、復習してください。
人間の脳は繰り返せば繰り返すほど、強い記憶を作ってくれる仕組みになっています。安心や油断をせずに、復習をして記憶のメンテナンスをしていきましょう。
まとめ
どうやって「分かる」を「できる」に変えるのか、について解説してきました。
もう一度まとめておくと、
- ステップ1:テストのつもりで解く
- ステップ2:解きながらスムーズではないところをチェックする
- ステップ3:スムーズになるまで繰り返す
この3つの手順を実行してください。
最終的に「自分ひとりの力で、スムーズに、正解が出せる状態」になっていたらOKです。
ただ、この自分で自分にOKを出すというのも実はちょっと難しいんですよね、自分のことを客観的に眺める必要があるので。
いわば自己観察スキルが必要になるというわけです。
こちらの記事にトレーニングの第一歩をまとめておいたので、興味のある方はぜひご一読ください。