お母さん、心配しなくても良いです。
よくあることです。
これからお話する2つのことだけ実行してみてください。
塾がお子さんに合っているのに、まだ成績が上がっていないなら、そこには大きく2つの要因があります。
要因が分かれば、あなたがとるべき行動もハッキリします。もうあれこれ悩まなくて良いです。
【1】成果が出るまでのタイムラグを待つ。そして励ます。
成果と成長は違います。
うちの娘は今3歳なのですが、背がぐんぐん伸びています。といっても幼稚園で一番小さいのですが。でも日々彼女を間近で見ていても、全然気づかないんですよね。この前、身体測定があったのですが、その時初めて「え?いつのまに90センチ超えてたの?」という驚きがありました。きっとあなたも過去に経験がありますよね?
勉強面においても、お子さんの成長は注意していないと見えないものです。成果はテストの点数を見れば一瞬で分かります。でも成果だけですべてを判断してはいけません。
「成果」は日々の「成長」によってもたらされます。
大事なのでもう一度。
「成果」は日々の「成長」によってもたらされます。
もしあなたのお子さんが、適切な解決策を実行していて、日々努力を重ねているのであれば、もう少し待ってみてください。今少しずつでも成長していれば、いずれ成果として現れてきます。
一番しんどい思いをしているのはご本人です。やっても伸びないかも?という不安と戦いながら、前向きに努力を続けているわけですから、あなたがすべきことは「もっとやりなさい」と叱ることではありません。「その調子でがんばれ」です。
結果が手に入らない日々の中で、モチベーションを維持するのはとても困難なことです。その困難と必死に向き合っているあなたのお子さんは素晴らしい。
あるお母さんからこんなメールを頂いたことがあります。
先日の模試は今までで一番手応えがあったようでした。随分細かく出来について熱く語っていました。「まだ成績伸びるかなあ」と尋ねてきたので、「試験前日までやるべき事を取り組み続けたらまだまだ伸びるよ。」と話しましたら、頑張るねと話していました。また、問題集は解説読めば分かる事がほとんどになってきて、勉強したらした分だけ点数が伸びて来るようになって来てるから、勉強するのが楽しくなってきたとも話していました。勉強に自信がついてきたようでした。久松先生に教わり始めと比べて本当に成長しました。小学生高学年周りが塾に行き始めてから塾組の子達にバカにされ続けて自信がなくなり子ども自身が私はバカだからと卑屈になっていたのが今では嘘みたいです。
最終的に、この方は入試で7割以上得点して志望校に合格しました。彼女が粘り強く努力をつづけ、日々成長し、最後に大きな成果を掴んだのはなぜでしょうか?
一つの要因は、お母さんが「その調子でがんばれ」と励まし続けてくれたからに違いありません。おかげでお子さんは勉強を継続し、成長し続けることができました。
成果がやってくるのはいつも成長の後なのです。
今通っている塾が、あなたのお子さんの課題を解決できる体制が揃っているのであれば、このタイムラグを待ってあげてください。この時、あなたがすべきことは一つです。お子さんに「よく頑張ってるね。その調子でやれば伸びるよ。」と伝え続けてあげるだけでいいのです。
【2】家での勉強量を確保する環境づくりを手伝う
「塾あるある」をお話しします。
塾に通っているだけで安心して、家でほとんど勉強しなくなってしまうケースがあります。これは、ジムに通っているからと安心して、家でごはんを食べ過ぎてしまう人と同じです…。
この塾あるあるに陥ってしまうと伸びません。塾では授業に手一杯で、復習まで面倒を見てくれません。だから塾では宿題が出されます。「家で復習して、今日習ったことをしっかりと定着させてね」というわけですね。
つまり、「復習の機会は宿題で確保しますよ、だから家でも勉強してね」というスタンスです。
宿題は毎回忘れずできていますか?
もし宿題をないがしろにして復習ができていない場合、それは塾が悪いというよりも、ご本人に点数が伸びない要因があると考えた方が良いと思います。(正直、塾の現場を知るものとして、親御さんが思っている以上にこのパターンに当てはまる方は多いです。)
だからまずは宿題(=家での最低限やるべきこと)ができているかチェックしてください。
宿題をやってたらOKという話ではなくて…
ただ、誤解しないでください。宿題をやっていればすべてオッケーという話でもありません。宿題をやっても、知識をしっかり定着させていなかったら意味ありませんよね?
僕は最近、YouTubeでダルビッシュ投手がカーブの投げ方を教えてくれる動画を見たんですね。「誰でもこれでキレキレのカーブが投げられます」と言っていたので、早速ウキウキしてやってみたのですが、へなちょこカーブしか投げられませんでした。やっぱり「わかる」と「できる」は違うんですよね。
塾で習って「分かる」にしたことは、自分で練習して「できる」にしないと意味がありません。
つまり、塾に通っていたとしても、「できる」状態にするまでの勉強量は確保しないといけません。中学生として最低限の勉強量が家で確保できていないから、成績が伸びないのです。
じゃあ、どうすれば家での勉強時間を確保できるのでしょうか?
これは家で勉強するための環境を作ることで解決できます。人は慣れの生き物、と言われます。僕が部活の冬の走り込みで100m走を100本走ることができたのは、きっと環境のおかげです。隣で顔をしかめて息も絶え絶えのチームメイトがいたから、地獄のようなトレーニングに耐えられたに違いありません。
最近、ある心理学の研究によって、人が行動を起こすきっかけになるのは50%は意志の力、残り50%は環境の力だということが分かってきました。気まぐれなやる気に頼るのではなくて、環境の力で行動を操るべきなのです。
家で勉強する環境は整っていますか?
もしNOなら、今すぐお子さんと協力して環境づくりを進めてください。ほとんどのお子さんは、環境の重要性に気づいていません。意志の力だけで乗り切ろうとするから勉強は続かないし、勉強時間も確保できないのです。自分を行動させたいなら、自分を行動させられるような環境を作ってください。
まとめ
塾が合っているのに、伸び悩むとけっこうしんどいですよね。お子さんはもちろん、あなたも「どうしたらいいか分からない」と苦しいはず。
でも、そんなときだからこそお子さんを信じてあげてください。お子さんの課題が、お通いの塾で解決できる体制があるのなら、いずれ成果が出る時はやってきます。その時を迎えられるまで、お子さんが行動を続けられるように「その調子で頑張れ」と励ましてあげてください。
一方で、塾に通うことで家での勉強量が減ってしまっているのなら、一緒に「行動できる環境づくり」を進めてあげてください。家での学習環境が整えば、勉強量は確実に増えます。いずれ必要な勉強量を満たしたとき、一気に花開きます。
成果は成長の後からやってきます。その時を楽しみにして、今はじっくりとお子さんの成長をサポートしてあげてください。